ラッパのマークの『正露丸』、あのメロディを商標登録に出願

2015.04.01
by まつさん。
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大幸薬品株式会社は4月1日、『正露丸』のラッパのメロディ音を商標登録出願したことを発表した。

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正露丸と言えば家庭に1つはあると言ってもよい大幸薬品の看板商品。その正露丸のCM等で使用されるラッパのメロディは日本人なら誰でも知っているのではないだろうか。それだけ有名なメロディをなぜ今になって商標登録することになったのか。

改正商標法によって新しいタイプの商標登録が可能に

平成26年改正商標法が平成27年4月1日に施行された。これにより新しいタイプの商標登録が可能となった。これまでの日本の「商標」は、文字、図形、記号もしくは立体形状と色彩の結合とされ、「音」や「色彩」単独での登録は認められなかった。しかし今回の改正により欧米等ですでに登録対象になっていた「音」や「色彩」等が、新たに単独で商標登録できるようになった。
その背景には、言語の違いがなく宣伝効果が見込める音や色などが、言葉の壁を超えたブランディングツールとして用いられるケースが増えたことがあげられる。既に海外では広く保護対象となっており、日本企業がこれら海外諸国において出願や権利取得を進めるケースも増えたことから、国内でも知的財産として保護することが求められるようになった。

新たに保護対象に追加された商標のタイプ
・動き商標
文字や図形等が時間の経過に伴って変化する商標。例えばテレビやコンピューター画面などに映し出される変化する文字や図形など。
・ホログラム商標
文字や図形等がホログラフィーその他の方法により変化する商標。例えば見る角度によって変化して見える文字や図形など。
・色彩のみからなる商標
単色または複数の四季彩の組み合わせからなる商標(これまでの図形等と色彩が結合したものではない商標)。例えば商品の包装紙や広告用の看板などに使用される色彩など。
・音商標
音楽、音声、自然音等からなる商標であり、聴覚で認識される商標。例えば、CMなどに使われるサウンドロゴやパソコンの起動音など。
・位置商標
図形等の商標であって、商品等に付す位置が特定される商品。
特許庁:新しいタイプの商標の保護制度について

特許庁:新しいタイプの商標の保護制度について

『正露丸』の「ラッパのメロディ」

胃腸薬『正露丸』は1902年「忠勇征露丸」という名で販売が開始された。1904年の日露戦争開戦時は日本軍が「征露丸」を携行し毎日服用したとの記録もあるほどで、戦後も「日本軍が『征露丸』を服用して戦争に勝った」と日本中で人気を博し。現存する「忠勇征露丸」(1945年頃)のパッケージにも軍隊ラッパのマークが描かれていたことからも、『正露丸』と「ラッパ」のイメージはすでに定着していたと言われる。
いまの「ラッパのメロディ」が『正露丸』のCMで初めて使われたのは、ラジオCMを開始した1951年の大阪。音声だけの宣伝でパッケージのイメージまで連想させることができるとして、ラッパのマークとラッパのメロディが『正露丸』のシンボルとなった。「ラッパのメロディ」は大幸薬品の『正露丸』のブランドイメージを消費者に伝えるための、なくてはならないメロディと言える。

『正露丸』の商標登録

『正露丸』は、日露戦争勝利にあやかったその歴史的背景から他社から数多くの「正露丸」が発売されたこともあり、大幸薬品は1959年に『正露丸』の名称の商標登録を実施。今回の音商標に関しても、自社ブランドを守るために早期登録を目指す。音商標については、香港では2004年にラッパのメロディの商標登録を済ませており、2番目の出願が日本となる。

source: 大幸薬品特許庁

(まぐまぐ編集部/まつこ)


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