飲食店で長時間悩んだ末に選んだメニューがイマイチだった……という経験は、誰にでも一度はあるもの。メルマガ『ビジネス発想源』の筆者・弘中勝さんは、こういった状況で“グットチョイス”を選び出す感性は、ビジネスでも大いに役立つと語ります。
良い選択ができるには
今月からTOKYO MXで、『食の軍師』というドラマが始まりました。
もともとは『孤独のグルメ』と同じく、久住昌之氏原作の人気漫画。
飲食店で自分なりの「注文の哲学」を持っているトレンチコートの男性(=津田寛治)が、おでん屋や寿司屋などでこだわりのオーダーをするも、いつも偶然鉢合わせる若者(=高岡奏甫)のオーダーに「その手があったか!」と毎回後悔させられ、蜀(食)の軍師・諸葛亮孔明(=篠井英介)の兵法を借りながら注文を考えるも、やっぱり挽回できない……という、文章だけでは全然伝わらないストーリーです。
このドラマ、うちも家族で観ているのですが、特に爆笑しながら楽しんでいるのが、うちの家内です。
「主人公の気持ちが、自分そっくりでよく分かる」と言うんですね。
というのも、毎回家族で外食をすると、私はいつもメニューを見て数秒で決めてしまい、それが毎回、ほとんどハズレがないので、家内は今回こそ絶対にそれを上回ろうと何分も考え抜いた挙句に、やってきた料理が毎回不味かったりハズレだったりします。
しかも最近は子供たちも食べますから、「この子はこの料理がいいだろう」と思って家内が注文したものが毎回「これいらない」と言われ、「おとうさんの、いっしょにたべるー」と言うという、完敗オーダーを繰り返しまくっているのです。
それで毎回、私がいつも美味しい料理が来るので、なぜ私がそれを選んだのかをしつこく聞き、次こそは勝つとやたら躍起になるんですね。
それで、例えば先日にハワイに行った時も、圧倒的に私の注文したものが美味しかったので「いや、オーソドックスなやつ選んだから」と、すぐに選んだ理由を問われて教えました。
すると、その後に行った有名なケーキ店で、メニューの中に30種類以上あるケーキの上部に「30年来の不動の人気」というケーキがあって、家内は先ほどの答えを参考に真っ先にそれを注文。
でも私は、「多分この店はこれが美味しいで」と、下のほうにあったケーキの1つを注文したんですね。
すると、注文を取りに来ていた若いウェイトレスが、「オー、グッドチョイス!」と満面の笑みで親指を力強く立てて私に言ってくれたんですね。
この時の家内の落ち込みっぷりは半端なくて、しかも、確かに食べてみると私の方が美味しく、3歳長男もその「不動の人気」のほうは全く食べず私のケーキばかり食べようとするので、「私もグッドチョイスって言われたかった……」と、もうその日はずっと愚痴りまくりでした。うるせー。
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