家ではいい子、外では攻撃的。いたずらな子どもにある「不満」とは?

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家では素直でいい子なのに、親がみていない場所では攻撃的な態度になる子どもに、手を焼いていませんか?実はそんな子どもは、親に欲求を満たしてもらえてない場合が多いそうです。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者で家庭教育アドバイザーの柳川由紀さんに、反抗的な子どもに対して心掛けるべきポイントを教えていただきましょう。 

人が嫌がることをする、反抗する、わめく、どう対応する?

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保育園に通う4歳の男児。他人の嫌がることをする、反抗しわめく、など手がかかります。一方で甘え、胸に手を入れる、抱き付いて離れない、といったこともあります。母親は家ではそんな様子はない、と言います。
(30代保育士様より)

 

家庭教育アドバイザー 柳川由紀さんの回答 

嫌がることをする、繰り返し困らせるいたずらをする、という場合、その子どもは望んだことを満たされずに育ってきた可能性があります。
親や保育者はそうした子どもに対し、2つのポイントを心掛ける必要があります。

1.いけないことはすぐに注意をする

子ども自身、よくないことだと知っています。けれども我慢できずにやってしまうのです。望んだことが満たされない場合、怒り、攻撃、いじわる、嫉妬、といった感情を持ちます。
自分の感情をコントロールできない幼い子どもにとっては、親から押さえつけられていると、他のおとなに甘える以外ないのです。人が嫌がることをするのはよくない、とそっと伝えましょう。

2.満たされてこなかった気持ちに目を向ける

手がかかるため、つい叱りがちですが、それよりもまず、これまで望んだことが満たされてこなかった、ということに目を向けましょう。
悪い子、いけない子というレッテルを貼るのではなく、どういうときにそうした感情が出るのか、どうすると出ないのかを見極めて対応することが必要です。

家庭教育アドバイス……「欲求不満は向上心の表れ」

人は、一つの欲求が満たされると、必ず次の欲求を目指します。それが努力の原動力です。ですから、人の向上心や努力の背景には、欲求不満と紙一重の感情があるということです。

決して悪いことではないので、頭ごなしに叱るのはやめましょう。

けれども欲求不満の度が強いと、攻撃的になります。
幼い子どもは、他の子どもに乱暴なことをしたりいじめたりして攻撃的になります。また赤ちゃん返りもします。

赤ちゃん返りをして甘え、欲求不満を解消しようとしているからです。
子どもが欲求不満になるのは2種類です。

1つ目は、自分の希望が受け入れられないとき
2つ目は、周囲から過剰な要求をされたときです。

こうした子どもたちの親は、子どもの言うことをゆっくり聞いてあげられるような時間的ゆとりや心のゆとりがないのかもしれません。

子どもとゆっくり会話しながらお風呂に入ったり、膝にのせながらテレビを見たり、おもちゃを出して一緒に遊んだりするのを煩わしいと思わないでできる親もいれば、

「忙しいからあとでね」「早く食べて、片付かないから」などと指示や命令をする親もいます。

自分の気持ちをゆっくり聞いてもらう人を持たなかったら大人でも欲求不満になり、イライラし、攻撃的になります。

解消するには、親も子どもと同じ時間をゆっくり過ごすこと。親子の時間を作ってその時間でイライラを解消すること。

私は幼い子どもたちに一日あったことを聴いてもらいました。もちろん、子どもたちの話もゆっくりと聴いてあげました。

こうした時間は子どもにとって安心感のある満たされた時間なのです。親も、子どもの笑顔に癒され、自分のイライラが消滅します(^^)♪

image by:Shutterstock

 

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家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き、毎週月曜、木曜の二回に亘って配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。
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