お彼岸ってそもそも何?「ぼたもち」と「おはぎ」の意外な違い

2015.09.20
by 横田吉木
お彼岸
 

そもそもお彼岸って何ですか?

聞いたことはあるけど、詳しくは知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。かくいう記者もその1人。せっかくシルバーウィークに帰省してお墓参りをする予定なので、せっかくなら正しい知識と正しい作法を知っておきたい。

そこで、仏事と言えば「はせがわ」ということで、はせがわの教育担当・安藤浩一さんに「お彼岸ってなんですか?」と疑問を尋ねてきました。安藤さんは、これまで約2500~3000基のお仏壇を売ってきた、お仏壇販売数社内NO.1のカリスマ販売員ですよ。

お彼岸ってそもそもなに?

早速ですが、お彼岸ってそもそもどういう行事なのでしょうか。

安藤「一言でいうと、昼夜の長さが同じになり、太陽が真東からのぼり真西に沈むこの時期は、自然に感謝しご先祖様と対話するという、仏教強化週間なのです」

強化週間とはわかりやすい。お彼岸はいつのことを指すのでしょうか?

安藤「お彼岸は春と秋にあります。春分・秋分の日と呼ばれる中日を挟んで、前後3日間。今年だと、9月20日(日)から9月26日(土)で、中日が9月23日(水)ですね。真西に太陽が沈む春分・ 秋分の日は、昼夜の長さが等しくなることから、お釈迦さまの教えである、かたよりのない考え方『中道(ちゅうどう)』を表すとも言われています。

また、私たちの現世を此岸(しがん:欲や煩悩にまみれた世界)、 これに対し仏様の世界を彼岸(ひがん:悟りを開いた仏様の世界)と呼びます。此岸と彼岸が最も近くなると言われるこのお彼岸の時期は、 自然やすべてのものに感謝し、ご先祖様と対話する期間とされ、日本人に大切に受け継がれてきました」

知っておきたいお彼岸の作法と常識とは?

お彼岸で恥をかかないための作法や常識はあるのでしょうか。

安藤「おはぎ・ぼたもちの意味と作り方、他にはお墓参りの作法、お仏壇にお参りする作法等があります。お墓もお仏壇もお参りする時に忘れがちなのが数珠です。仏教徒のシンボルとして必要なものです、必ず持参致しましょう。ちなみにおはぎ・ぼたもちの違いは、春か秋かです。秋は萩、春は牡丹から来ているようですよ」

そんな違いだったんだ。そして数珠って必須アイテムなんですね。ところで数珠ってどういう意味を持っているんですか。

安藤「仏教では、人間に百八の煩悩があるといわれており、玉ひとつひとつが百八の煩悩を司る仏様と考え、人間のあらゆる煩悩を、数珠が引き受けてくれるという考えから、正式な数珠は百八つの玉からできています。ちなみに元は、インドのバラモン教で用いたものが仏教、イスラム教、キリスト教に取り入れられたといわれています、キリスト教ではロザリオとよばれ、イスラム教ではタスビーフと呼ばれるものです」

数珠にそんな歴史があったとは……。正式な数珠は百八つの玉というのも驚きでした。だからお坊さんが持っている数珠は長いんですね。

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