関東でも降雪が見られ、冷え込みが一段と厳しくなってきました。こんな時期には体の芯からあたたまるお鍋が食べたくなります。今回の無料メルマガ『おひとりさんが健幸的に食べるシンプル調理の和風レシピ!』では 、健康効果もバツグン、かぶらのみぞれ鍋を紹介しています。
サワラのかぶらすりおろしみぞれ鍋
gatugatu佐藤です。
今回は、鍋。「根菜などをすりおろして入れる、みぞれ鍋」を伝授します。
やっぱり、冷え込みが強烈になってくる1月、2月に鍋を食うのが最もおすすめ。極寒からポカポカ温まる感覚をしみじみと感じられますからね。なので、冷え込む時期になるまで鍋料理をとことん公開するのをじっと待っていました。
『みぞれ鍋』。雪見鍋とも言ったりしますが、一番のオーソドックスは、大根をすりおろして入れるみぞれ鍋。あなたも一度はどこかで目撃したことがあると思います。
大根おろしを鍋に入れると出し汁が半透明の状態になります。大根おろしが出し汁にもろもろ浮いた状態。それが、霙(みぞれ)に似ていることから「みぞれ鍋」と名が付きました。
今回、私がおすすめしたいみぞれ鍋は、「かぶら」のみぞれ鍋。以前も同じ鍋を伝授したかもしれませんが、大根より香りがよくあっさりで食えるので何度でもおすすめしたい鍋ですね。
で、この「かぶら」、関東方面では「カブ」と言うようですが、香りがよくて美味しいだけでなく、ちゃんと健康効果があります。一番はでんぷんの消化を高めてくれる酵素、「アミラーゼ」を含んでます。または、「ジアスターゼ」ともいいます。
これ、すりおろすとさらに効果的。すりおろすとかぶらの細胞膜が破壊され、中に監禁されていた酵素もドバドバ大量にあふれ出てきます。そのまま食ってしまうと細胞外の酵素だけが吸収され、細胞内の酵素の多くは、まんま体の外に排出されます。その差は2~3倍です。
食材でその差はもっと出たりします。が、酵素は、熱に弱い。上記の効果を最大限に引き出したい場合はすりおろして生で食うのが一番です。鍋で食う場合でも、すりおろしたかぶらを上にのせるだけにして、激熱の出し汁にあまり触れないよう工夫すれば、大きい効果が期待できると思います。
それから、「かぶら」は、むかしから胃腸や風邪に薬効があると重宝されてきました。江戸時代の有名な書物に「消化をたすけ、気持ちを穏かにし、口の渇きを癒し、痰を除き、咳を止める」など、効果があると記されているのもその証拠の1つですね。
で、今回のかぶらみぞれ鍋は、サワラを主役にしました。青魚ですが、臭みが少なくあっさり味のみぞれ鍋と好相性です。
作り方も簡単!私がゴリ押しする「基本の鍋出し汁」12:1:1の割合の出し汁に、シンプルな白菜、白ネギ、水菜の鍋野菜を、サワラと一緒にぶち込んで焚いて、すりおろしかぶらを最後にダ~っと入れるだけ(「基本の鍋出し汁」12:1:1の割合の出し汁の詳しい作り方は⇒こちら)。
サワラが、パサパサ食感にならないよう、短時間で焚くので気軽に作れます。
「サワラのかぶらすりおろしみぞれ鍋」は、店で、お客さんに提供した記憶はないのですが、”まかない”では、数十回は作ってます。濃い味を好むアルバイトの若い学生にも「美味しいです!」と言わしめたあっさりみぞれ鍋のレシピ、説明します!
【材料】(1人前)
サワラ切り身(なべ用)…150g(4~5切れ)
白菜…150g(大1枚半)
白ネギ…30g(3切れ)
水菜…30g(1株)
人参…薄い輪切り3枚
かぶら(中)…1/4個
【鍋出し汁】
「出し汁12:みりん1:薄口醤油1」の割合
水…360cc
みりん…30cc
薄口醤油…30cc
カツオ出しの素…2g
(約30cc入るお玉で水12杯、みりん1杯、薄口醤油1杯と計った分量です)
※ 鰹削り節でとった鰹出し汁を使う場合は水の分量が”鰹出し汁”になります(360cc)。
「カツオ出しの素」はいりません。
サワラ切り身、なべ用を準備して下さい。ガッツリ150gです(骨なし)。
◎野菜はすべて流水で綺麗に洗って水気を切っておきます。
1.かぶらは、1個の1/4を皮をむいておろし器ですりおろします。
回しながらすりおろすと、細かい滑らかなおろしになります。
2.白菜は、半分に切って5~6等分に切ります。
厚みのある茎は小さく、薄い葉の部分は幅を大きく切って、できるだけ熱の通りが均一になるようにします。
3.白ネギは根元を切り落として、1cm幅の7cmくらいの長さで斜めに切ります(3枚)。
4.人参は、太い部分を極薄の輪切りにします(3枚)。
5.水菜は特に念入りに水洗いして、土などを流しておきます。
4cm幅で5~6等分に切ります。葉のほうは若干大きめに。
6.1人鍋に【鍋出し汁】の水と調味料を合わせます。
人参が熱が通りにくいので鍋出しを合わせたと同時に入れます。火をつけます(強火)。
7.沸騰してきたら、白菜、白ネギをぶち込みます。
白菜は、茎を下に葉を上になるように入れます(葉のほうが熱の通りが早いので)。
8.続けてサワラも白菜の上にぶち込みます。
中火にして2分~2分半焚きます(サワラは焚きすぎるとパサパサした硬い食感になるので焚き過ぎないようにします)。
9.サワラに熱が通り、白菜、白ネギが柔らかくなったら、水菜を入れます。
火を止め、”かぶらおろし”中央に入れたら完成です!
※ 人参、水菜が上にくるようにすると美味しそうに見えます。
かぶらを買い置きして「かぶらおろし鍋」がすぐに作れるようにしてください!