競合他社が伸びると、すぐにそのエッセンスを取り入れ伸ばし、差別化で会社に付加価値を持たせようとする社長さんがいます。しかし、戦略コンサルタントの中久保浩平さんは、メルマガ『ビジネス真実践』の中で、その方法は間違っていると一刀両断。その上で正しい差別化へのアプローチを提示しています。
捨ててこそ差別化
これまでに色々な業界の経営者やお店の店長さんのご相談を受けてきたなかで、商品やサービスに付加価値をつけて差別化を図ろうとするものが多かったです。
しかも、競合他社が新しいことを始めたら「うちでもやんなくちゃ」的な感じではじめてしまい失敗するケース。
あるいは、他社の強みを見て、「うちも負けていられない」ってことになり、その強みに追いつけ追い越そうとして自社の強みにさらに付加価値を乗っけて差別化です、といい失敗するパターン。
差別化をするために付加価値をつけようとしたところで、結局は、二番煎じで終わるだけです。
世界で一番高い山はエベレスト。
日本で一番高い山は富士山。
では、二番目に高い山は?
スッと答えが出てきません。それと同じようなことなのです。他社の強みやライバルの取り組みを見て、付加価値をつけ、差別化を図ろうとしても結局、お客様や市場からは覚えてもらえない存在。そんなものを差別化とは言いません。お客様や市場に覚えてもらえないのなら、むしろ無駄です。
では、付加価値とか差別化ってなんなのでしょう?
それは、一言でいうと「捨てる」ことです。
何を捨てるかというと、第一に競合他社の強みや成功事例です。競合他社の強みや成功事例を捨てない限り、独自性のポジションを築くことは出来ません。さっき言ったようにあくまで二番煎じであり、それを超えることは出来ないからです。
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