親子丼といえばもも肉を使うのが常識ですが、やっぱり板前さんは違います。無料メルマガ『おひとりさんが健幸的に食べるシンプル調理の和風レシピ!』で紹介されているのは、希少な部位である「せせり肉」で作る柳川風の親子丼。著者で現役板前のgatugatu佐藤さんが自分のために50回以上も作ったという激甘丼、是非マスターしてください!
鶏せせり肉の親子丼! 柳川風
gatugatu佐藤です。今回は、「『鶏せせり肉』の美味しい活用法」を伝授します。
「せせり」とは、簡単にいうと鶏の首の部分のお肉です。見た目はちょっとグロテスク。ここ数年は、当たり前のように焼き鳥屋さんで使っていたり、居酒屋さんでもさまざまな料理に活用しています。
私がまだ18歳、ぼうず(下っぱ調理師のこと)のころは、今ほど安く仕入れができなかったので、料理ではあまり使った憶えがないです。が、その店では、鶏肉専門店の業者から、鴨肉を毎日大量に仕入れていたのでごくたまに、せせり肉を格安で入れてくれました。で、なんとこれを贅沢にまかないで食っていたのです。なので、私は若いときからせせり肉の旨さを熟知してました。せせり肉をまかないで食うときは必ず「親子丼」。これが激旨! せせり肉が入ったときはまかないが楽しみでした。
で、なぜそんなに旨いのか?
例えば、ブリのかま、「ブリかま」。あなたも一度は食ったことがあるはずです。塩焼きで食うと最高! ビール軽く5杯はいけます。このブリかま、カマの部分はヒレがある場所。ブリが泳ぐときによく動かすところです。よく運動する部分ていうのは旨いんですね。
なので、せせり肉も同じ。コケコッコーさんが一番カクカクカクカク動かすところ。あなたも今、ニワトリの動きを真似して下さい。どうですか? 首がけっこう疲れますよね。それだけ動かすので身が締まっていて、食感に弾力があって噛めば噛むほど味が出てくる肉なんです。しかも、1匹からちょこっとしか取れない。希少部位です。
それと意外なのがもも肉よりも脂分が多い。なので、ジューシー、美味しく感じるわけです。親子丼にするとき、せせり肉を出し汁で焚くわけですが、この出し汁に肉の旨味が溶け出ます。これに卵が絡むとなんともいえない旨さになります。親子丼、通常もも肉を使いますが、せせり肉で作ったほうが旨いです。旨味の濃さがまったく違います。
で、今回あなたに伝授する「せせり肉の親子丼」、もう一工夫します。「ごぼう」を加えて柳川風に。ごぼうの歯ごたえと香りが加わってさらに美味しくなります。まかないで何度も何度も作って食ったので絶対旨いと断言できます。はっきりと思い出せませんが、50回以上は作りましたね。実感済み。
せせり肉はほかの料理でも旨いですが、出汁で焚くような活用法が一番だと思います。煮汁旨味が溶け出る。「せせり肉の親子丼! 柳川風」さっそくレシピ公開します!
【材料】
鶏せせり肉…100g
ごぼう…50g
卵(M玉)…2個
粉山椒…適量
【出し汁】
(出し汁6:みりん1:濃口醤油1の割合、プラス砂糖)
水…90cc(大さじ6杯)
みりん・・15cc(大さじ1杯)
濃口醤油…15cc(大さじ1杯)
砂糖…5~10g
※カツオ出しの素…2g
※鰹節でとったカツオ出し汁を使う場合は、水の量(90cc)がカツオ出し汁の量になります。出しの素は入れません。
1.ささがきごぼうを仕込みます。
ごぼうは、流水で綺麗に洗います(写真は、「洗いごぼう」を使用したので皮をむいてありますが、皮はむかなくてもいいです、皮に旨味があります)。
皮周りに縦の切り込みを入れます。少しづつ回しながら、できるだけ真っ直ぐに切り込みます。深く切り込んでOK。これで細いささがきごぼうになります。
2.ピーラー(皮むき)で削ります。
鉛筆を削るように回しながらシャカシャカ削っていきます。
3.全部ささがきにできたらザルに入れ、流水で3回すすいだ後、5分程さらします。
先にすすいで、ある程度”アク”を洗い流してから、さらします。すすぎ洗いをせずにさらすとアク抜きに時間がかかり、水道代の無駄です。
4.せせり肉、長いものは22~3等分に切ります。
熱湯ですすいで、軽く湯通しをしておきます(湯沸かし器の激熱の湯でOK)。
出し汁がにごりにくくなり、出来上がりが綺麗です。
5.鍋に【出し汁】の調味料を合わせ、火をつけます。
すぐに”ささがきごぼう”をぶち込んで強火で「3分程」焚きます。
ほかの料理でも同様ですが、少ない出し汁&強火で煮物をするとどうしても鍋周りが焦げてきます。なので、鍋周りが焦げない程度のできるだけ強火で焚いて下さい(中火~強火弱)。
6.3分後、せせり肉をつっこんでさらに3分焚きます。
途中、せせり肉を裏返し熱を早く通します。
7.ボウルに卵を割って溶き混ぜます。
少し白身が見える程度でOK。
丼ぶり鉢にご飯を好きなだけよそっておきます。
8.鍋に溶いた卵をドロドロドロ~っと回し入れます。
9.鍋を軽くゆすりながら、玉子が2/3に固まったら丼ぶりごはんにのせます。
鍋をゆすりながら玉子の固まりを滑らせるようにしてのせます。
10.葱をぶち込んで、粉山椒をぶっかけて完成です!
精肉コーナーで「せせり肉」がないか探してみて下さい。
せせり肉の旨味とごぼうの旨味が出し汁に溶け込んで甘~い玉子をさらに、美味しくしてくれます。粉山椒の香りが「せせり親子丼」を引き立てます。是非! 作ってみてください。
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