重要な会議をスパホテルで?想像力が欠如した舛添知事の心理を分析

2016.05.19
by Mocosuku
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舛添都知事への批判が過熱しています。「元旦に、龍宮城スパホテル三日月で政策会議」とはいかに多忙な都知事であっても無理がありますよね。

ご本人は「説明責任は果たした」と明言なさっているようですが、そのように受け止めた方は少ないようです。

世の中には無理スジの話をゴリ押しすると逆に反感を買ってさらなる追及を招くパターンが散見されます。舛添都知事は厚生労働大臣も務めて、一時は首相候補とも言われていた経験豊富な政治家で、もっと老獪に追及を逃れる手立てを思いつきそうなものです。しかし、今回は想像力が働かなかったのか、逆に批判が強まっただけでした。

このような想像力の欠如はどのような心理が関わっているのでしょうか。心理学者で神奈川大学教授の杉山崇先生にお話を伺いました。

想像力が欠如する3つのパターン

本来なら想像できる実力がある人なのに、想像力が欠如するのは自分の空想に囚われている時がほとんどです。

3つのパターンがあります。

1つは自分自身や世の中への関心が欠如してしまうパターンです。このパターンでは周りにどう思われるのか構わなくなって、自由気ままな空想の世界に籠ってしまうことが多いです。

2つめのパターンは「創作」に囚われている時です。「何かを生み出す」という高揚感と、「なかなか満足いく形にならない」という焦燥感の狭間で「周りがどのように見るか」という想像力を無くすのです。

そして、3つめのパターンは「すべて思い通りに行くはずだ」という空想に囚われている時です。身の回りの人々や世の中が自分の拡張物のように感じられて、自分に不都合な展開を想像できなくなっているのです。

上の2パターンの場合は、あまり社会と関わろうとしません。本当に身近な人以外は気にしないものです。むしろ社会とは距離ができることが多いですね。政治家さんやタレントさんなど、社会的な立場を維持している人がこのパターンに陥ることはとても珍しいことです。

「トップリーダー」にはしばしば見られる?

しかし、「思い通りに…」という空想に囚われている場合は積極的に社会とからみます。空想を形にしようとする行動も増えるようです。要は現実を空想に近づける努力もするのです。そのため、それなりの権力がある地位に就くことも多いです。

これは会社で言えば社長さんなど上位の管理職さんにしばしば見られます。リーダーとしての責任を遂行するために与えられた権限を自分の拡張物のように錯覚するのです。

舛添都知事がこれらの3パターンのどこかに当てはまるか、または全く別パターンなのかわかりません。しかし、このような批判が話題になるのではなく、誰もが賞賛するような都政で日本の発展と都民の暮らしに大貢献して話題になってほしいものですね。

執筆: 杉山 崇(神奈川大学人間科学部/大学院人間科学研究科教授)

 

<執筆者プロフィール>

杉山 崇
神奈川大学人間科学部/大学院人間科学研究科教授。心理相談センター所長、教育支援センター副所長。臨床心理士、一級キャリアコンサルティング技能士、公益社団法人日本心理学会代議員。
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記事提供:Mocosuku(もこすく)

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