価格が3年前の2倍に…なぜ日本人は「円安」に激怒しないのか?

takasiro_0909
 

今年の夏は円安の影響もあって、海外への家族旅行を断念した…という人は多かったのではないかと思います。今回、高城剛さんのメルマガ『高城未来研究所「Future Report」』に寄せられた質問は、心待ちにしていたカメラの新機種が予想以上の高額だったが、それだけ性能が向上したということなのか、という内容。 実は、根本的な問題として「日本円そのもの」に価格高騰の原因があると高城さんは答えています。

新発売のカメラが予想以上に高額、
買うのを躊躇しています

Question

shitumon

高城さん、こんにちは。

今日は先日発売された高城さんオススメのSONYのα7RⅡについて質問させてください。

今使っているカメラはNIKONのD700というモデルを使っているんですが、去年くらいから買い替えを考えているんですがなかなか踏み切れないでいます。一時はα7Rを購入しようと思ってたんですが、このメルマガで6月に新しいモデルが発表されるから、それまで待ったほうがいいとの事だったので待ってみたところα7RⅡが発売されたんですが、2倍になった価格にびっくりしてしまい踏ん切りがつかない感じです。

美容師をやっているので撮影の対象は主に人なんですが、やはりα7RⅡの方がいいですよね(苦笑)。前のモデルからどこがパワーアップしたのかを教えていただきたいです。

あとオススメのレンズがあったら(純正品とオールドレンズともに)教えていただきたいです。

高城剛さんの回答

最近発売になりましたSONYのα7RⅡは、本当に素晴らしいカメラですね。手振れ補正も4Kも、なにより画質が最高です。もう望遠レンズは、必要ないかもしれません。

しかし、価格も驚くべき価格なのですが、実はドルで見ると前作よりそこまで高くなっていません。驚くべき価格は、日本円そのものにあるのです。

このメールマガジンをはじめた時から、僕は少額でもいいから分散預金をすることをオススメしてきました。いまから3年前に、最後の円高の可能性があると僕がお話しした時点で、日本円50万円を米ドルに分散しておいていたら、どうなったでしょうか?

もし、いまα7RⅡを買おうとした場合、米ドルだと3200ドルで、3年前にはおよそ1ドル80円でしたので、25.6万円で購入できたことになります。現在、日本円で日本で購入すると、消費税込みでおよそ48万ぐらいです。カメラ一台でこの差は大きいですよね。ほぼ倍額です。

おわかりのように、お悩みの本質はα7RⅡの価格ではなく、日本円にあるのです。また、ポートレートを撮るんでしたら70mm-90mm程度の焦点距離を持つ明るいレンズがオススメで、予算度外視すればZeissのOtusですが、これも日本で購入しようとすると驚くべき値段です。

いまや日本製品でも国際的な企業はドルで価格を決めるのが当然ですから、もはや僕らも円とドルのふたつの価格を同時に考慮しながら生きねばなりませんし、発展途上国はそのようにしているのです。

安保法案も問題ですが、いま起きていることに対して多くの日本人が怒らないのは、本当に不思議です。良いドルレートで買うSONYのα7RⅡは絶対にオススメですが、機能面だけ考えても、現状でもっとも優れたカメラであることは間違いありません。

image by:Shutterstock

 

takashiro 『高城未来研究所「Future Report」』
著者:高城 剛
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
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