教育のIT化で授業がさらに面白くなる!那須塩原市では3年計画で市内の全教室に電子黒板を設置

2015.05.26
by まつさん。
※写真はイメージです※写真はイメージです
 

栃木県那須塩原市では2015年度から3年計画で、市内すべての小中学校の教室に電子黒板を設置することを決定した。15年度は市内の中学校全ての普通教室と理科室の計164カ所のほか、小学4年生の39教室全てに配備する予定。これを機にデジタル教科書などを活用した環境作りと、児童生徒の思考力や判断力、表現力を育てる有効なツールにしたい考えだ。

那須塩原市は、タブレット端末を活用した小学校英語授業を14年度からモデル校でスタート。視覚的に教材をうまく使うと学習効率が上がり、興味・関心・意欲を高めることが分かったという。また、他県の先進事例で、電子黒板を先行整備した上で同端末を導入した方が、児童生徒や教職員の利用が円滑になったというデータをもとに、3年計画を立て、計500教室に順次配備することにした。

生徒が画用紙に描くように自由な授業を展開

 

授業時にコンピューターをプロジェクターにつないで資料を表示する授業はこれまでにも多くの学校で行われてきた。しかし、先生がコンピューターに付きっきりになりがちな点や、映写された内容に書き込みができないなど欠点も見られていた。
那須塩原市が導入を計画している電子黒板は、タブレット端末のように映写された画面上でコンピューターを直接操作することができ、もちろん書き込みも可能。さらに、子どもたちが直接電子黒板を操作することができる点も授業の効率的な進行に効果的だ。子ども自身が電子黒板を操作することで授業への関心が格段に高まるだけでなく、“眺める”“聞く”だけではなく身体的に情報を“操る”ことで授業への理解度を高めることができる。

10年で12倍!教育のIT化を目指す取り組み

文部科学書の「教育のIT化に向けた環境整備4か年計画」に基づき、2014年度から2017年度の4年間で総額6,712億円(単年度1,678億円)の地方財政処置が講じられる。具体的に目標と掲げられている導入水準は以下の通りだ。

・教育用コンピューター1台当たりの児童生徒数3.6人
・電子黒板・実物投影機の整備1学級当たり1台
・超高速インターネット接続および無線LAN100%
・公務用コンピューター教員1人1台

平成25年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)

平成25年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)

2013年の調査では、電子黒板は前年に比べ1万台以上導入数は増えているものの、82,375台は1校につき2、3台程度ということで普及はこれからというところだ。これまで学校単位やモデル校での導入事例は増えつつあったが、今後は那須塩原市のように市町村や県を挙げて教育のIT化に向けた取り組みが増えるだろう。

(まぐまぐ編集部/まつこ)

出典:全小中教室に電子黒板 那須塩原市、本年度から3年計画(5月25日)
参考:教育のIT化に向けた環境整備4か年計画(文部科学省)
参考:電子黒板活用効果研究協議会
参考:平成25年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)

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