majorshift

野球の見どころといえば、なんといっても「心理戦」である。相手の裏をかき、その裏の裏を……と考えだすと止まらなくなりそうだが、一球一球ごとに緻密な戦略が練られていることに注目すると、より楽しく野球観戦ができるものだ。

そんな中、データを重要視する野球が主流のメジャーリーグで豪快すぎる守備隊形が敷かれたのでご紹介したい。誰もが驚くその様子は動画「Dodgers use wall of infielders」で確認可能だ!

・メジャーリーグでの出来事

2014年8月29日、メジャーリーグのパドレス vs ドジャース戦でその守備隊形は見られた。2−2とお互いが譲らずに迎えた延長12回裏。1死満塁でパドレスはサヨナラのチャンス。一方のドジャースは絶体絶命の大ピンチという場面だ。

・極端な内野シフト

バッターボックスに左打ちのセス・スミス選手が立つのだが、ここでドジャースベンチが動く。一体何をしたかというと……ななな、なんと! 一、二塁間を4人に守らせるという豪快な守備隊形を敷いたのである!!

もちろん、レフト方向に打球が飛ぼうものなら完全にお手上げ。サヨナラ負けを喫してしまうにもかかわらず、だ! おそらく「スミス選手は引っ張る打球が多い」というデータに基づいたものだと思われるが、それにしても思い切った策である。

・狙い通りにアウト

そして気になる結果だが、ゴロが一、二塁間に転がり本塁でフォースアウト。さらには一塁であわやゲッツーというシーンにまでなった。最終的にはサヨナラ打を浴びてしまうのだが、作戦がピタリとハマった奇襲であった。

・この内野シフトに対するネットユーザーの反応

「これはすごいwwwwwwww」
「ドジャースの内野シフト笑った」
「戦略だね。あとはかけ引き…」
「3塁にバントしたら余裕でセーフやんw」
「こんな内野シフト初めて見たwww」
「なんだこの内野シフト!! サッカーのFKかよ!! 腹筋崩壊したわ!! 」

などなど「こんな内野シフトは見たことがない」や「サッカーの FK だ」というコメントが多く見られた。また「バントすればセーフ」という声もチラホラ。しかしここまでやられて打者は黙っておけないはず……。そこでは「バントをさせない」心理戦も繰り広げられていたと思われる。

近年、データに基づく守備隊形を敷くチームが増えており、日本でも2014年7月11日に巨人が阪神の西岡選手に対して「内野5人シフト」で守ったことも記憶に新しい。しかしすべてが数字通りになる訳ではないのが、野球のおもしろいところ。改めて奥が深いスポーツである。

参照元:MLB.com
執筆:原田たかし

▼動画表示されない場合はMLB.comでも確認することができます
[mlbvideo id=”35789081″ width=”580″ height=”320″ /]
▼こちらはYouTube版

▼巨人が敷いた「西岡シフト」