怒鳴り声はストレスたまってる?「アブナイ寝言」の正しい見分け方

2016.03.30
by Mocosuku
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「このリンス泥棒!」
「そこらへんにトコロテンを置いてください」

これらはユニークな寝言の例ですが、パートナーや家族の寝言は、ときに笑い話となって楽しいもの。

でも、寝言の種類や頻度によっては、心の不調や病気のサインである可能性もあります。アブナイ寝言の見分け方をみてみましょう。

寝言は遺伝する?

寝言は子どものときに多くみられますが、成長とともに徐々に頻度や長い寝言が減り、25歳を過ぎるとほとんどなくなります。
ただ、大人でも日常的に寝言をいう人もいます。大人にみられる寝言は、女性よりも男性に多く、さらに寝言をよくいう家系もあり、遺伝の影響も指摘されています。

寝言は、睡眠の種類によって特徴に違いがあります。

体も脳も、どちらも休んでいる「ノンレム睡眠」のときの寝言は、日常生活での出来事に関するものが多く、夢との関連はあまり見られません。
一方、体が休んでいても脳は活動している「レム睡眠」のときの寝言は、そのときみている夢と関係している場合が多く、感情豊かなものが増えます。

夢自体が現実離れしたものが多いため、冒頭のようなユニークで摩訶不思議な寝言は、レム睡眠のときに多く出ると考えられます。

強いストレスや病気も原因

寝言が時々出る程度ならとくに問題はありませんが、毎晩のように続いたり、その内容が激しく感情的なものだったりする場合は、何らかの体や心の不調が原因である可能性があります。考えられる原因をみてみましょう。

日常的なストレス
寝ている間にうなされたり、大声でどなったりすることが続くときは、ストレスが原因になっている可能性が考えられます。

日常的にストレスを抱えていると悪夢を見ることがあり、その影響で激しい寝言が出やすくなります。一方、レム睡眠中は体の筋肉もゆるんでいるため、はっきりと発音できず、「うなり声」や「どなり声」になるのです。

さらに、「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」のような強いストレスの場合はより深刻で、毎晩のように悪夢と寝言をくり返すこともあります。

睡眠時無呼吸症候群
日本では中高年を中心に約200万人の潜在的患者がいるとされる「睡眠時無呼吸症候群」でも、寝言が出やすくなります。

ただ、はっきりした寝言ではなく、うめき声に近いものがほとんどです。寝言にいびきや呼吸停止を伴うときは、この病気が疑われます。

レム睡眠行動障害
「レム睡眠行動障害」は、寝ているときに突然起きあがって、大声で叫んだり暴れたりする睡眠障害で、50歳以上の男性が発症することが多い病気です。

夢の中、特に悪い夢の中での動きをそのままやってしまうため、感情的な寝言が多いだけでなく、「手足をバタバタ動かす」「起き上がって暴れる」などの暴力的な行動もあるため、本人や隣で寝ている人がケガをすることもあります。

ナルコレプシー
「ナルコレプシー」は、日中に数十分の短い睡眠を何度も繰り返す過眠症の一種です。寝言の内容は感情的なものが多く、しばしば悪夢を伴います。

ナルコレプシーは若い頃に発症し、笑ったり怒ったりすると体の力が脱けたり(情動脱力発作)、寝入りばなに幻覚を見たり(入眠時幻覚)、金縛りにあったりする(睡眠麻痺)といった症状があらわれます。

日本はナルコレプシー患者が世界でも多い国とされています。

夜驚症(睡眠時驚愕症)
子どもの場合で、ただの寝言ではなく、叫び声のように大きな声を出すようであれば、夜驚症(やきょうしょう)の疑いがあります。

叫び声や悲鳴をあげて眼を覚ますとともに、脈拍が速くなったり呼吸が荒くなったりします。

これらの他にも、インフルエンザなどの高熱の影響による寝言や、薬の副作用に伴う寝言もあります。

寝言の対処法としては、子どもの場合は夜驚症でも自然と減っていくケースが大半ですので、様子を見つつあわてずに対応しましょう。

成人の場合は、強いストレスから寝言が増えていると考えられるなら、ストレスそのものを減らし、ストレスにうまく対処する方法を意識的に取り入れましょう。

それでも改善されず、特徴的な症状を伴うときは、病気が原因の可能性があります。早めに睡眠障害などの専門医の診断を受けましょう。

執筆:Mocosuku編集部
監修:坂本 忍(医学博士 公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)

 

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記事提供:Mocosuku

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