【現役医師が指南】30代~40代も要注意!脳卒中予防に今すぐ皮ごと食べるべき果物

宮田恵© liza5450 - Fotolia.com
 

2万人が10年間で証明した「りんご・なし」の脳卒中予防

『森の診療所から始める 旅こそアンチエイジング』第37号

脳卒中は、脳の血管に血の固まり–血栓–が詰まる脳梗塞と、脳の血管が脆くなって破れて出血する脳出血の、2種類が主なタイプです。寝たきりとなる原因のトップで、介助を要する後遺症を残す、最大の病気でもあります。

脳出血には、脳内で出血がおこる脳内出血と、脳を覆っている髄膜の内側の層と中間層(くも膜)の間に出血が起こるくも膜下出血があります。

脳卒中の約65パーセントが脳梗塞、25パーセントが脳出血、残りの10パーセントがくも膜下出血です。70代の高齢者に多くおきますが、30代、40代でも発病することがあります。

脳出血は、弱くなった血管が、血圧の上昇が原因で破れて出血するものです。

脳梗塞は、心臓か首の動脈で出来た血栓が脳の血管に詰まるか、動脈硬化で血管が細くなり流れが悪くなっている所に、小さな血の塊が詰まって、脳の組織が壊死(えし)してしまいます。脳梗塞は、アルツハイマー病についで多い認知症の、血管性認知症の原因となります。

★脳卒中(脳梗塞、脳出血)の症状

1)顔、手足など身体の左右の半身が、力が入らなくなる、突然しびれるといった症状が出たとき。

2)急に片目が見えなくなる。

3)突然、ろれつがまわらなくなる。言葉がもつれる、話せなくなる、人の言っていることが突然理解できなくなったとき。

4)中年以降に、今まで経験したことのないような頭痛が起こったとき。くも膜下出血の可能性があります。

5)めまい感、体の不安定、突然倒れるなどの症状。前出の1~4の症状に伴って起こった場合は、脳卒中の兆候を疑わなくてはいけません。

しかし脳梗塞後遺症は本人も家族も大変ですから、予防できるならそれにこしたことはありません。

野菜・果物が脳卒中予防につながるという事実はよく知られていましたが、中でもリンゴ・ナシが最も予防効果が高いというドイツからの報告がありました。

(1)緑色グループ(キャベツやレタスなどの葉野菜)
(2)だいだい色・黄色グループ(かんきつ類)
(3)赤色グループ(トマトやトウガラシなど)
(4)白色グループ(白色果肉の果物:リンゴ、ナシ)

白色グループの摂取が多いと脳卒中予防効果が高く、最も食べているグループは食べていないグループより脳卒中は52%も少なかったということです。(1)から(3)までの項目は他の疾病リスク低下に繋がることは知られていますが、ここでリンゴ・ナシと具体的なのがすごいところ。でもドイツらしくシンプルですね。

そのほか、オリーブ・オイル、チョコレートなどでも結果が出ています。週66gだそうで、板チョコを1週間かけて食すればよいのですね。抗炎症フーズにもチョコレートが掲載されています。

アメリカの研究では
1)野菜・果物を1日5種類以上
2)身体活動月12回行なう
3)BMIを18.5~29.9に維持する
4)適度に飲酒する
5)喫煙しない

これら4~5項目該当者はリスク低下も大きいようです。あまりに当然すぎますが、忘れてはいけないことが、気持ちよく・こころ穏やかに過ごす事、だそうですよ。

食事のひとつとして果物を摂取しましょう。糖尿病患者さんの治療食でも果物が出されるのは、こういった疫学調査が基本となっています。糖質が多い、太るかもしれない、などの理由で食べない人も多いリンゴ・ナシですが、トータルでバランスを取ることの重要性、今回も強調します。

食べる量は一日にリンゴあるいはナシの中くらいのサイズのものを半分。出来れば皮ごと頂きたいです。

紅玉なら1個、最近は見かけなくなりました。 酸味が忘れらないリンゴの味です。


※病気予防にアンチエイジング、お子さんのオススメフードなどを現役医師が指南してくれるこのメルマガ、こちらから初月無料でどうぞ

宮田恵この著者の記事一覧

岩手県出身、岩手医科大学卒業、放射線科専門医、社会を幸せにする医師としての実績を日々模索し続けている。医師、野菜ソムリエ両者の視点から綴られるメルマガは読めばすぐに役立つ内容で人気を集めている。まぐまぐ大賞2014ライフ部門入賞。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 森の診療所から始める 旅こそアンチエイジング 』

【著者】 宮田恵 【月額】 初月無料!月額330円(税込) 【発行周期】 毎月 第2土曜日(年末年始を除く) 発行予定

 

print
いま読まれてます

  • 【現役医師が指南】30代~40代も要注意!脳卒中予防に今すぐ皮ごと食べるべき果物
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け