【時間迫る】「イスラム国」の日本人拘束事件についてメルマガ発行者はどう見ている?

2015.01.22
by szy
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イスラム過激派組織「イスラム国」と見られるグループが日本人2人を拘束し、身代金を要求するビデオ映像がインターネット上に公開されたのが1月20日。

日本政府に対し、72時間以内に2億ドルの身代金を支払わなければ二人を殺害すると警告してから約48時間が経とうとしているが、政府は身代金を支払うのか、払わずに人質を奪還することを考えているのか、イスラム国と交渉しているのかなどの詳細は未だ報道されておらず、依然として予断の許さない状況が続いている。

この事件に対し、まぐまぐのメルマガ発行者諸氏はどのように捉え、独自意見を述べているのだろうか。

「チェチェン紛争」についての情報紙『チェチェンニュース』では1月21日配信号で日本ビジュアル・ジャーナリスト協会の言葉として以下のように人質の解放を訴えている。

 現在、IS(イスラム国)が拘束している後藤健二さんには、取材の現場で会ったことがあります。後藤健二さんもまた、イラクやシリアでの戦火に苦しむ市民の現状をテレビやインターネットで報道してきました数少ないジャーナリストです。湯川遥菜さんは、私たちと直接の接点はありませんでしたが、報道によると個人的な興味から「イスラム国」に入ったようです。

私たちは、暴力では問題の解決にならないというジャーナリズムの原則に立ちます。武力では何も解決されない現実を取材をとおして見てきたからです。「交渉」を含むコミュニケーションによって問題解決の道が見つかると信じます。

私たちは、IS(イスラム国)の皆さんに呼びかけます。日本人の後藤さんと湯川さんの2人を殺さないように呼びかけます。人の命は他の何ものにも代え難いものです。イスラムの教えは、何よりも平和を尊ぶことだと理解しています。

私たちは、同時に日本政府にも呼びかけます。あらゆる中東地域への軍事的な介入に日本政府が加担することなく、反対し、外交的手段によって解決する道を選ぶようにと。

拘束された後藤健二さんと面識があり、かつ、取材から『武力では何も解決されない現実』を見てきたという日本ビジュアル・ジャーナリスト協会が日本政府、イスラム国へ訴える言葉だけにその意味は重い。

そして身代金について。

元NHKの政治記者・渡部亮次郎さんの無料メルマガ『渡部亮次郎の「頂門(ちょうもん)の一針」』に記事を寄せる政治評論家、杉浦正章さんは同メルマガ1月21日号でテロリストの要求には屈するべきではないとしている。

びた一文支払う必要は無い

何でこの時期に中東歴訪かと悪い予感がしていたが、胸騒ぎが的中した。
首相・安倍晋三に真っ向からテロリストが立ちはだかった。狂気の処刑人
によると「日本の首相は欧米による十字軍の戦いに参戦した」というのだ。

難民救済のための人道援助2億ドルと同額の240億円を、2人の日本人人質
のために支払えと要求している。国連の分析によるとイスラム国は身代金
と石油の密輸で命脈を保っており、身代金は年間で50億円前後だという。

それが濡れ手に粟の5倍の額の要求だ。安倍が「人命第一に考える」とい
うのは間違っていないが、問題は240億円を72時間以内に支払うかどうか
に絞られる。筆者はテロリストにはびた一文支払うべきではないと考える。

また、『三橋貴明の「新」日本経済新聞』では身代金の要求を飲むことでさらなる脅威にさらされることを指摘する。

 安倍総理がイスラエルを訪問し、イスラム国に絡み「避難民支援」「インフラ整備」に2億ドルの資金援助を表明した直後に、声明の発表。タイミングを見計らっていたようです。

2億ドルを支払った場合、イスラム国は「日本の資金」で銃器を増やし、より多くの人々を殺すことになるでしょう。逆に、日本が支払いを拒否した場合、イスラム国はこれまでの「実績」から考えると、人質を殺害する可能性が高いわけです。

これが、現実の世界です。
日本側は、支援2億ドルについて、あくまで、
「避難民支援と、インフラ整備等、人道的な目的の支出」
と、説明し、「理解」を求めるでしょうが、そんなことはイスラム国側は百も承知でしょう。

イスラム国は、センセーショナルなアピールを繰り返し、世界的に「人材」や「資金」を集めるという手段を採っています。すなわち「理」が通じる相手ではありません。

果たして日本政府はイスラム国に身代金を払うのか、または、身代金を払わずに拘束された2人を奪還する道を探るのか、ここで日本政府の取るアクションが今後の国際社会における日本の立ち位置を大きく変えるのは間違いないだろう。
菅官房長官はタイムリミットを日本時間23日の14時50分頃との見方を示しており、日本政府は苦しい決断を迫られている。

 

information:

『チェチェンニュース』
『渡部亮次郎の「頂門(ちょうもん)の一針」』
『三橋貴明の「新」日本経済新聞』

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