あなたはお子さんに本を読んであげていますか? そのときに「うちの子、大丈夫かな」と心配になることはありませんか? また、ダメだとわかっていても、他の家の子供と比較してしまうことはよくあります。親御様から寄せられた、未就学児と本に関する質問に、無料メルマガ『2018さわやかお受験のススメ<小学校受験編>』で回答をしています。適切なアドバイスに納得です。
未就学児と本の話
今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。
質問1 いつも同じ本ばかりです
同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか。
回答 お子様なりに覚えています
そんなことはありません。お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、「面白いな!」といった漠然としたイメージが、繰り返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長するように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
1人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょうか。お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。また、読んであげている途中に、突然、「そこまでで、いいです」ということはないでしょうか。1人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっきりさせたくて「読んでください」と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで表現する力もついてきます。話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なことですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう「読んでください」と来なくなりますから。
質問2 感想を答えない
読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが…。
回答 イメージができるまで待ちましょう
読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないのは、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。そこまで待ってあげましょう。ですから、1回だけ読んで、「面白かったでしょう」「何が面白かった」といった話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白かった本を読んであげることがあるようです。それはいいのですが、「どう、面白かったでしょう」と聞いたことはないでしょうか。そんな時、お子さんは、「……?」となったのではありませんか。まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、「お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学んだのですよ」と、お母さん自身の感想をいうのはいいのではないでしょうか。「ママは、こういったことを感じたんだ」と、考えるヒントになるからです
質問3 3月生まれで成長が遅い?
3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配ないでしょうか。
回答 心配はいりません
お子さんは3月生まれですから心配ありません。興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つき、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解できなければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には本の嫌いな子になりかねません。
ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップにつながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日では1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思います。
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