なんでもビッグな欧米料理を笑えない、日本食の意外な「弱点」

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外国のレストランで食事をすると驚かされるのが、日本とは桁違いな料理の大きさ。しかし、そのビッグサイズは欧米諸国の肥満率の高さの要因として問題になっているようです。メルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』では、欧米で取り組み始めている、料理のサイズを小さくする試みについての研究を紹介。どうやら我々日本人の食生活も見直すべき点があるようです。

【1】欧米のレストランでの衝撃

日本人が米国や英国のレストランに行くとびっくりするのが、オーダーして出てくる食事の量の多さ、です。ビッグマックやワッパーなどのファーストフードメニューは日本でも同じサイズですが、一般のメニューのサイズがとにかく大きいことに驚きます。これも、肥満者の増加の原因の一つでしょう。

最近の研究で、食事内容や食器のサイズと肥満のリスクに強い相関があることがわかりました。ビッグサイズのメニューはもちろん、大きく深い皿、マグカップ、そして大きなスプーンやナイフを使っていると太るリスクが高くなります。

また、最近の研究は、ラージ(大)・サイズメニューを除くだけで、1人あたりの摂取カロリーが、米国で約20%英国で約15%減らすことができるということも明らかにしています。

【2】料理サイズを小さくするための方策

このようなことから、料理のサイズと肥満の関係を調べている研究者は次のような提案をしています。まず、サイドメニューのフレンチフライ(フライドポテト)やデザートで出てくるお菓子やケーキサイズを小さくすること。

次に、「ビッグサイズアイテム」を選択メニューリストから外すこと。某ファーストフードで行われている、コーラなどのソフトドリンクのリフィル・フリー(おかわり自由)は止める。「ビッグサイズアイテム」を置いておくなら、価格を高くすること。

また、レストランの広告では、ビッグサイズのメニューは出さないこと。食器は小さなものを使用する。食器類は、デフォルトの大きさを小さめのものとする。

【3】小サイズ普及のための工夫

これらの方策についてまず、学校や病院で導入することが勧められています。そして、一般のレストランもこれらの方策を導入するように何らかのインセンティブを与える、などです。もちろん、これらの施策を広く行っていくためには、一般の人々の理解と受け入れが重要です。

また、一般の家庭でも健康的な食生活について教育は重要です。TVをみながらの食事は摂取量が増えます。バイキング方式で山盛りのメニューをテーブル中央に置いて、好きなだけ食べてよい、とすると競争心を刺激してどんどん食べてしまいます。脂肪や糖分が多いと全体のカロリーは当然増えていきます。

食事の時間は楽しい団らんの会にしましょう。TVは消して、バイキング方式を止め、食事サイズは小さめにしましょう。もちろん、偏食ダイエットはいけません。タンパク質、脂肪、炭水化物の適切なバランスを考えながら、野菜・果物・魚類を上手に利用し、ナッツ類やオリーブオイルも活用しましょう。

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