毎日うだるような暑さが続く今年の夏、食欲がわかずに夏バテ気味だぁ…という方も多いのではないでしょうか? メルマガ『森の診療所から始める 旅こそアンチエイジング』の著者で医師の宮田恵さんは、夏バテに効果がある飲み物として最近話題となっている「甘酒」について紹介。なんと甘酒の夏バテ予防効果は、古くは江戸時代から知られていたとのこと。そこには、過酷な夏を乗り切るための先人の知恵が詰まっていました。
小児食育科「甘酒」
いつから甘酒は夏バテ予防の食品になったのでしょうか。 もともとは身体をあたためるための甘酒が、江戸時代には夏の飲み物として定着しているようなのです。
当時の平均寿命は46歳くらい。 墓石に記載された死亡の月は圧倒的に7,8,9月の三か月間が多かった様です。 質素な食事で下水道は完備されておらず、夜中まで暑さと蚊に悩まされ、夏を越すのはたいへんだったろうと推察されます。
甘酒はご存知のように炊いた米に麹と湯を加え温めておくと、甘い飲み物になります。 米の炭水化物は麹菌の働きでブドウ糖に、蛋白質はアミノ酸に変えられます。 さらに麹菌が繁殖するときにビタミンB1,2,6、パントテン酸、ビオチンなどを生成するのです。 1杯4文で購入できたとの事です。
良く、飲む点滴と称されますが、末梢から点滴する液体は浸透圧を低くする必要があるので、すなわち「点滴」だから栄養豊富なわけではないのです。 栄養成分表から見ても銅とマンガンがやや多いかな?くらいの清涼飲料水の範疇です。 麹菌の菌体(生でも死滅したあとでも)が腸内細菌箒との相互作用で免疫を賦活化することも大事です。
缶入り甘酒を販売し始めたのは森永だった
すでに1969年には瓶入り甘酒、1974年には缶入り甘酒、2000年にはブルーの印字の冷やし甘酒が販売になっています。 フリーズドライや生姜入りなどフレーバーも多種。
米麹と酒粕の2種類でつくられます。 酒粕はβグルカンなども含むようですから期待できるかも。
ただし大量生産だと発酵過程がどのようになっているかは不透明。 通常の発酵過程を踏んでこその甘酒です。 自分で作ってみるのも良いでしょう。
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