中国にSF感あふれる巨大図書館が誕生、その中身は賛否両論

2017.12.23
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皆さんは普段図書館を利用しますか?私は時折思いついては、近所にある小さな図書館へ行き、自習室で勉強をしたり、お気に入りの作家の本を大量に借りてきたりしています。図書館とはどこの地域にも必ずある施設で、しかも地域に関わらず、そこに流れる空気はどこも同じような気がして、静まりかえった空間の中で漂う程よい緊張感と共に、なんとなく慣れ親しんだ雰囲気はいつでも私を落ち着かせてくれます。幼少期から大人になった今でもお世話になる図書館ですが、今回ご紹介するのは中国に誕生した超近未来型、オシャレでハイテクな空間を演出した新しい形の図書館。一体、使い心地はどうなのでしょうか?

 

わずか3年で完成した近未来型図書館、その実態は?

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中国の天津市に誕生した5階建ての図書館は、オランダのデザイン会社MVRDVと、天津の設計事務所Tianjin Urban Planning and Design Institute (TUPDI)のコラボレーションによって造られました。その製作期間はなんとわずか3年というから驚きです。

 

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面積は約34,000平方メートル、その中に120万冊の本の所蔵が可能とのことですが、設置が認められているスペースは約20万冊程度。1階にある読書スペースのほか、2階にはラウンジやオフィス、会議室まで設けられており、最上階にはコンピュータ室もあります。

写真で見ると、壁じゅうに本が敷き詰められているように見えますが、実はこれはフェイク大量の本を画像にしたものが貼り付けられているのです。実際の書籍はまた別の場所にあるのだとか。図書館でありながら、もはや立派なアート作品のようですね。

 

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これまでは図書館=こじんまりとした空間というイメージでしたが、こんな開放的な空間で読書に耽るのも、新しい文化となり得るのかもしれません。

 

MVRDVは、1993年の設立以来、この他にもこれまで世界各国で多くのクリエイティブな建造物を完成させており、例えばロッテルダム市内にあるマーケットホールや、戦後の同市再建75周年を記念して造られた180段にも及ぶ巨大な階段など、その自由な発想と創造力は止まるところを知りません。彼らが掲げるテーマは、「現代の建築術を駆使して、その地域が抱える様々な問題に取り組む」こと。あらゆる業種の人々と協働して1つのプロジェクトに取り組むことにより、世界が注目するようなこれまでにない建造物を構築するとともに、地域の活性化を促すことを目的としています。

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天津の図書館については、「素晴らしい!清潔で快適そう。一度は訪れてみたい」という声がある一方で、「デザイン性は素晴らしいが、個人的には昔ながらの温かみがあって快適な図書館の方がリラックスできる」「一体これだけの規模の中から、どうやって自分が読みたい本を探すの?」など、賛否両論が飛び交っています。

落ち着ける空間というのは、静かな図書館やざわついたカフェなど、人によって様々です。今回ご紹介した図書館も、人によって感じ方は異なるかもしれませんが、自身にとって快適な時間を過ごすための新しい選択肢の一つとして、一度は体感してみたい気がしますよね。

 

 

Sourced by MVRDV

文/貞賀 三奈美

 

 

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