「試験結果で落ち込む子ども」を復活させるための3つのステップ

shutterstock_786843637
 

さまざまな家庭の教育の悩みにアドバイスを送る柳川由紀さん。今回、メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』に寄せられたのは、センター試験の結果に落ち込む息子さんを立ち直らせたいというものでした。柳川さんが伝授する復活させる力「レジリエンス」を鍛えるための心理学的なアプローチとは?

折れない心を作るには?

Q:息子はセンター試験の結果が良くなかったようで、ひどい落ち込みようです。何と声を掛けても落ち込みから抜け出せず、「もうダメだ、終わった」と二次試験への準備もままなりません。落ち込みから回復させるための魔法があればいいのにと思います。親としてどうサポートできるでしょう?(受験生の保護者様より)

柳川さんからの回答:復活する力「レジリエンス」の鍛え方

A:頑張ったからこそ、実力を出せなかった場合は落ち込みが激しくなるのでしょう。人がなんと言おうと、無力感や喪失感が大きく、それはなかなか消えません。

今後の人生についてアドバイスすることや、慰めの言葉は、再スタートを切った後に幾らでも言う機会があります。ですから、何も言わずに「お疲れ様」とこれまでの努力を労うのが一番です。

失敗や挫折から立ち直る力、復活する力レジリエンスと言います。このレジリエンスを磨けば、落ち込んでもその「落ち込み」を引きずらず、立ち直りのスピードも速くなります。ポジティブ心理学、認知心理学の面からこのレジリエンスの鍛え方をお伝えします。

1.思考の罠に気づく

落ち込みの原因が正しい場合はともかく、実はただの思いこみや考えすぎ、的外れである場合が多いのです。これを「思考の罠」=心理学では「認知の歪み」と言います。挫折から立ち直る力を阻害する最も有害な罠=認知の歪みを7つご紹介します。

  1. 個人化:問題が起きると自分のせいにして自己評価を下げ、自分を責める
  2. 他人化:問題が起きたのは他人のせい、と他人を批判したり非難したり周囲に不満を持つ
  3. 正義化:自分の意見を曲げずに、「○○べき」と思いこむ
  4. 過剰思考:一つの出来事を「いつも」「すべて」のように一般化し、将来を悲観する
  5. 無力感思考:自分は何もできない非力な人間だと思いこむ
  6. 視野狭窄:ネガティブな事ばかりに注目する
  7. ラベリング:一つの事象でものごとを決めつける

落ち込んでいるお子さまが、どの罠にはまっているのかを振り返ってみましょう。

print
いま読まれてます

  • 「試験結果で落ち込む子ども」を復活させるための3つのステップ
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け