区教委の指導も無視。教師の「いじめ」で心を壊された児童たち

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教室という密室の中では、生徒同士のいじめ案件だけでなく、教師による体罰や精神的虐待も発生し、その事実が隠蔽されることもしばしばあります。今回のメルマガ『伝説の探偵』では、著者でこれまでいじめ被害に遭う数多の子供たちを救ってきた現役探偵の阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、東京都板橋区で起きた教師による信じがたい事例を紹介。区教委の指導を無視する呆れた学校サイドの対応を厳しく批判しています。

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体罰か虐待か、恐怖が支配する教室

序章

私が小学生中学生の頃、教師は怖い存在であった。私が唯一反発をしたのは、小学校低学年当時の隣のクラスの担任であった初老の教師だ。彼はいつも「神様棒」という拍子木のような棒を持っており、忘れ物をしたり授業に集中できない子がいると、それで手や足頭を殴る

私はどうしてもそれが納得いかず、同級生の女の子が殴られるところで、その教師の頭めがけて消しゴムを投げつけて、その「神様棒」を持って走って逃げた。追いかけられて、教室の隅で捕まるも、全身で抵抗して、私はこう言った。「大人になったらお前に絶対仕返ししてやるからな

学校ではそれが問題となったが、神様棒教師に罰が下ることはなかった。一方、私も物凄く怒られることもなかったが、その教師とは距離を置かれた。その後、神様棒を何度も盗み、何度も捕まったが、彼の理不尽な暴力は未だに納得できない。もう30年くらい前の話だ。

今見たら、速攻で棒を折ってやるが、暴力教師はすでに淘汰されている。その一方で、体罰問題は新たな局面として、セクハラや精神的に追い詰めるようなものが主流となっている。

板橋区A君の事例

A君のクラスでは、通常6班までしかない班が2班多く78班が存在していた。これは、忘れ物などの懲罰のために用意された班である。

このクラスでは、「1人席という懲罰があり、この「1人席」となると、班活動の他、給食なども1人で食べなければならなくなる

7班というのは教室の後方に1人で配置されることであり、8班というのは、黒板前に配置されることを指していて、クラスの中では児童たちの常識となっていたが、保護者はこうしたことが起きていることを知らなかった。

「体罰」と「不適切な行為」「適正な指導」

学校教育法第11条には、学校長や教員は教育上必要な範囲で児童生徒に懲戒を加えることができるとあり、ただし、体罰はダメだとあるが、文科省ではその境について事例を出している。

例えば、障害行為や暴力行為は体罰」となる。これには直接的な殴る蹴る投げるはもちろん、間接的な「長時間にわたる正座」なども含まれる。「不適切な行為」には体罰とまでいかない暴力暴言ブラック部活などに見られる行き過ぎた指導が入る。

一方で、教室内で騒ぐ生徒の腕を引き、教室外に連れ出すとか、教室から飛び降りようとした生徒を無理やり抑えるなどの行為は当然ながら適切な範囲となる。

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