ある学生のTwitter上でのつぶやきから一気に人気となったノートがあります。下町の小さな印刷所で開発され、商品化から丸1年以上さまざまなプロモーションを試みたにも関わらず在庫の山を抱えていたこのノートが、なぜ一言のつぶやきで飛ぶように売れ始めたのでしょうか。無料メルマガ『MBAが教える企業分析』で詳しい分析・紹介がなされています。
ターゲットと売り方の整合性
「ジャポニカ学習帳」のショウワノートからビジネスパートナーとして組みたいという依頼を受けた、4人で運営している企業を分析します。
● 中村印刷所(印刷会社)
◆戦略ショートストーリー
学生をターゲットに「製本一筋の職人が持つ高い技術&特許」に支えられた「使える部分が多い」「コピーやスキャンをしやすい」「書きやすい」といった強みで差別化しています。
職人のお孫さんがTwitter上で水平開きノートを宣伝する投稿をしたところ、3万以上リツイートされ、3万冊以上の注文が入るなど、多くの支持を得ています。
■分析のポイント
「ターゲットと売り方の整合性」
「水平開きノート」の開発からヒットまでの簡単な経緯はこちらです。
- 2014年10月
2年間の開発期間を経て、水平開きノートを商品化。 - 2015年
本格的に販売を開始したものの、なかなか売れず年末には数千冊の在庫を抱えていた。 - 2016年
元日に中村印刷所の職人のお孫さんがTwitter上で宣伝したところ、口コミが拡散して大ヒット。
といった形で結果的には成功したわけですが、今回は2015年に売れなかった理由を探ってみましょう。
では、2015年にどのような販売活動を行っていたかというと↓
- 扱ってくれそうな企業を1年で60社近く訪問営業
- 東京都より性能が評価され「トライアル発注認定制度」に選ばれ、東京都の認定商品カタログに掲載される。
- 文具業界の有名ブロガーに取り上げてもらう。
など、プロモーション(売り方)に力を入れてきました。しかし、結果は売れませんでした。そんな中、Twitter上で宣伝して大ヒットしたわけですが、2015年に売れなかった理由のヒントはここにあります。