温泉が心身に与える効果は、42度を堺にまったく正反対になるそうです。ゴールデンウィークに、ゆっくり温泉にでも入って日頃の疲れを取りたいなら、「ぬる湯」がいいと教えてくれるのは、メルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』の著者で元旅行誌編集長の飯塚さん。「ぬる湯が大好き」と言う飯塚さんが、その効能と東西6県8湯のオススメ「ぬる湯温泉」を教えてくれます。
ぬる湯の季節がやってきた!
今年も僕の大好きなぬる湯の季節がやってきた。GWを控えて温泉旅行には絶好のシーズンだ。今回は珍しく初心者向けに、ぬる湯について解説してみよう。ご存知の方は飛ばしてください。すみません。
温泉はすべてというわけではないのだが、実は37度~41度の「ぬる湯」の方が体にいいことが多いのである。これからの時期は、ぽかぽか陽気の中、ぬる湯の温泉にじっくり浸かってリフレッシュしたいところである。
さて、温泉の効果は42度を境にまったく正反対になることをご存じだろうか?人間には自分で意識的にコントロールできない“自律神経”というものがあり、「交感神経」と「副交感神経」の二つの神経がバランスをとって心身の働きを調整している。
交感神経が優位になると心身が興奮状態になり、脈が速くなって血圧も上がる。副交感神経優位になると心身はリラックス状態になって、血圧も下がり、筋肉も緩む。この二つの神経の切り替えスイッチが42度なのだ。
つまり42度未満の温泉にじっくりと浸かることで、リラックス状態になってゆったりとくつろぐことができ、高血圧やドロドロ血などの入浴リスクを減らすことができるというわけである。
とくに37度前後の湯は“不感温度”と呼ばれ、体温とほぼ同じ温度のため、あまり汗もかかず、じっくり長湯すれば体の芯からポカポカになる。
すぐに思い浮かぶところでは、山梨県の山口温泉、新潟県栃尾又温泉自在館、貝掛温泉、埼玉県の見沼天然温泉小春日和、群馬県川古温泉浜屋旅館、西では岡山県湯郷温泉の療養湯、奥湯原の郷緑館、島根県三瓶温泉亀の湯などなど、全国に素晴らしい温泉がいっぱいである。
これでGWを過ぎる頃になると、今度はまたもや僕がこよなく愛する「冷泉」の季節がやってくる。冷泉に関してはまたの機会に解説したい。
image by: メルビル [CC BY-SA 4.0], ウィキメディア・コモンズ経由で