東京オリンピックを来年に控え着々と準備が進む都内の駅などでは、日本語、ローマ字、ハングルなどさまざまな言語で書かれた看板や電光掲示板を目にするようになりました。そんな「当たり前」と流してしまいがちな状況に待ったをかけるのは、AJCN Inc.代表で公益財団法人モラロジー研究所研究員の山岡鉄秀さん。山岡さんはその理由を自身の無料メルマガ『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』に記しています。
駅の電光掲示板の外国語表記を止めるべき本当の理由
顧客との会議に出席するために電車の駅に急ぐサラリーマン。
改札口をくぐって、電車の行先と時刻を確かめようと電光掲示板を見上げる。
と、そこには解読不可能な外国語の文字が溢れ、日本語は一文字もない。唖然としながら、ひたすら日本語が現れるのを待つ。
しかし、次に現れるのも理解不能な外国語。為す術もなく立ちつくすサラリーマンが乗るはずだった電車のドアが閉まり、駅を離れていく….。
全世界のアメ通読者の皆様、山岡鉄秀です。
皆さんも、これと似たような経験をされたことがありませんか?日本にいるのに、日本人が全く読めない表示が溢れ、大多数の日本人が不便な思いを強いられていると感じませんか?
困惑した人が思い余って鉄道会社に苦情の電話をかけると、お決まりの答えが返って来ます。
「これからオリンピックを控え、世界中から多くのお客様がお見えになりますので、その方々の便利を考えての処置でございます。どうぞご理解お願い申し上げます」
これって、国交省の行政指導なのでしょうか?
世界広しといえども、こんな間抜けな国はなかなかありません。日本人は「おもてなし(hospitality)」を完全に履き違えています。
自分たちが読めない文字で掲示板を埋める…それでは媚びていると受け止められます。観光客はその国にしかない異国情緒を求めてくるのです。多民族国家のオーストラリアでもこんなことはしません。駅の表示は英語表記だけです。病院やトイレには多言語での注意書きがありますが…。
きっと多くの方が同じように感じていらっしゃるのではないでしょうか?