台湾を「中国の一部」と発言のホンハイ会長が台湾総統になる悪夢

kou20190513
 

以前掲載の「台湾の総統選に鴻海の郭台銘会長が出馬表明『女神が促した』」でもお伝えしたとおり、2020年に行われる台湾の総統選への出馬を宣言し話題となった、鴻海(ホンハイ)の会長・郭台銘氏。日本ではシャープの買収などで知られる郭氏、台湾では「親中派」「中国寄り」ということが一般的に知られていますが、総統に選ばれる可能性はあるのでしょうか。台湾出身の評論家・黄文雄さんがメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の中で、郭氏を巡る報道や発言などを紹介しつつ彼の人となりを明らかにするとともに、台湾の「命運」を占っています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2019年5月7日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【台湾】台湾を「中国の一部」と発言したホンハイ会長・郭台銘の正体

<台湾>トランプ大統領と会談した郭台銘・次期台湾総統候補の狙い

総統選挙への立候補を表明した鴻海会長の郭台銘(テリー・ゴウ)氏ですが、現状ではあまり人気がありません。やはり親中的なイメージが強くあるために多くの台湾人が警戒しているのです。

しかし、出馬したからには何らかの勝算があるはずです。彼の場合、政治の世界に自身のビジネスを巧みに利用して、米中の仲介役を演じることが勝利のカギと想定しているのかもしれません。というのも、5月1日、郭氏はホワイトハウスまで出向いてトランプ大統領に会ってきました。その際、中国が認めていない台湾の国旗とアメリカの国旗が描かれた帽子をかぶっていました。

会談を終え、記者たちとの談話で郭氏は、「私は会談の最中ずっとこの帽子をかぶっていた」と言って、台湾人に向けて、自分は「台湾の代表だということをアピールしていました。

しかし、会談後の飛行機内の談話で、「台湾は中国の絶対不可分の一部であり、中華民族に属する」と発言したのです。

郭台銘搖頭嗆陳明通:內行人說外行話

中国メディアも、この発言を喜んで報じています。

郭台铭捧妈祖像说台湾不能从中国分割 台当局回应

この発言を受けて、行政院大陸委員会の主任委員である陳明通氏は、「中華民国は独立した主権国家であり、中国の一部であったことはありません。郭氏は国際社会に対して誤解を招くような発言はしないで頂きたい」との苦言を呈しました。これに対して郭氏は、「私が言った『中国』とは、中華民国のことで中華人民共和国のことではありません」と反論しています。

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