お蕎麦屋さんの暖簾の文字は何と読む?今は使われない平仮名の謎

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「あいうえお」で始まるひらがな五十音。今では当たり前ですが、体系化されたのは明治も後期に入ってからで、それ以前はもっとたくさんのひらがなが存在していたとか。お蕎麦屋さんの暖簾にも「生そば」という文字が見慣れない平仮名で書かれていますよね。今回の無料メルマガ『1日1粒!『幸せのタネ』』では著者の須田將昭さんが、昔はたくさんあった面白い平仮名について、現代でも老舗等で見かける身近な例をあげながら解かりやすく解説しています。

読めない平仮名

おかげさまでこのメルマガも通算1,900号となりました。なんとなくキリのいい番号というのは気持ちがいいものです。そこで、今日は「1900年にあったある大きな変化をご紹介しましょう。

1900年、明治33年ですが、この年、「小学校令が改正されました。その改正に際して出された「小学校令施行規則」で「仮名字体を一定する」ということが定められました。

仮名字体の一定と言われても、今の私たちにはなかなかピンとこないかもしれませんが、実は、その時までは、今私たちが使っているような平仮名の文字がもっとたくさんあったのです。

今でもお店の看板などで「あれなんと読むのだろう?と思った平仮名などはありませんか?漢字と平仮名の中間みたいな形でどっちかもわかりにくい、という場合もあるかもしれません。

割り箸の袋などでも「御手」まではわかりやすく、次は「茂」かなぁ…最後はなんだ?と思う四文字を見かけることもありますね。「御手茂登つまりおてもとなのですがこれは別に当て字ではありません

昔は「も」の文字が、「毛」を元にしたもの以外にも「茂」をもとにしたものがあり、また「と」の字も、「登」を元にしたものがあったのです。

こういうのを変体仮名」と読んでいます。

平安時代に生まれた平仮名には、もとになった漢字によっていろんな字体があります。「あ」は「安」から生まれましたが、「阿」などもよく使われています。「い」も「以」以外に「伊」から生まれた字が使われていることも多いです。

花札の短冊の「あのよろし」と一見思えてしまう文字は、本当は「あかよろし」です。「の」に見えるのですが、「可」の文字から生まれた「か」です。

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書を学ばれている方は、和歌を書くときに、こうした文字を書かれることも多く、馴染みがあるかもしれませんね。書展を見にいくと、仮名文字の豊かさをあらためて感じます。

当時、「一音一字」が原則となって整理されましたが、昔の文書を読むときには必須となる知識です。最近は、そうした「変体仮名」を読むのも静かなブームだとも聞きました。

色々な漢字から生まれた平仮名を知ることもまた日本語の奥行きを感じさせてくれますよ。

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