ブロックチェーンへの関心の高まりは驚異的だ。インターネットを超える新ビジネスが生まれるとの見方もあり、中国が水面下で世界標準作りに邁進している。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)
※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2018年7月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
日本は手遅れになる? ブロックチェーンで世界制覇を目論む中国
仮想通貨から「ブロックチェーン」へ関心が移った
ぶっちゃけ、ブロックチェーンへの関心の高まりは驚異的だ。
7月4日に東京で開催された「ブロックチェーンに関する国際セミナー」には5,000人を超える参加者が殺到した。
このセミナーを主催した中国のトークン・スカイ社によれば、「今後数年以内にインターネットを遥かに上回るビジネスがブロックチェーンによって生まれる」。
強気の未来展望に会場は大いに盛り上がった。
ご存じの通り、世間を騒がせたビットコインもブロックチェーン技術があって初めて成り立ったものである。
インターネット以上に世界を変えるビジネスが生まれる?
インターネット時代は、アメリカの国防総省傘下の先端技術開発庁(DARPA)が切り開いた。
これからのブロックチェーン時代は誰が技術開発を主導し、新たな市場の覇者となるのだろうか。
お金や情報の素早い伝達や決済機能、かつ暗号による安全性の確保と仲介手数料の低価格が売り物になるだろう。
中国が「世界標準作り」に乗り出した
日本では大手金融機関やIT企業がビジネス化に向けて熱心な取り組みを進めている。
しかし、中国による「ブロックチェーンの国際基準作り」は目覚ましい。
何しろ、習近平国家主席が自ら音頭を取り、「世界標準を目指す」と檄を飛ばしているからだ。
既にアリババやテンセントなど中国発のプラットフォーム企業が中国政府の後押しを得ながら、世界市場を視野に「人工知能(AI)とモノのインターネット化(IOT)を結び付け、経済構造を一新させる」方向に邁進中といわれる。
その実現のカギとなるのがブロックチェーン技術というわけである。
中国が進める「一帯一路経済圏構想」も、陸や海のインフラ整備は表向きで、最も力点が置かれているのは「ブロックチェーン技術を使った中国式の世界標準作り」といっても過言ではない。
こうした中国の水面下の動きが日本では理解されていないようだ。
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