華やかなイメージのあるアパレル業界ですが、実は現在、かなり苦しい状況に追い込まれているようです。ここまで業界を追い詰めた「犯人」はいったい誰なのでしょうか。大手百貨店や有名企業社長へのインタビューを敢行し、とことんその犯人探しを行った一冊の本を、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者・土井英司さんが紹介しています。
『誰がアパレルを殺すのか』
杉原淳一、染原睦美・著 日経BP社
こんにちは、土井英司です。
本日の一冊は、発売するや否や話題となっている、アパレル業界の取材モノ。
華やかなイメージとは裏腹に、爆買いで覆い隠されていた綻びが出始め、売上げ規模減少、倒産続出、再編待ったなし、に追い込まれたアパレル業界の「犯人」は誰なのか。
「日経ビジネス」の記者で、アパレル業界に詳しい2人が、関係者への丁寧な取材をもとに、問題の真相に切り込んでいます。
大丸松坂屋百貨店社長・好本達也氏、高島屋社長・木本茂氏、ファーストリテイリング会長兼社長・柳井正氏など、関係者へのインタビューも載っており、じつに興味深い内容です。
小売店の要望に応えるうちに広がった安易な拡大路線、中国依存の弊害、販売管理のずさんさなど、この業界の問題点にズバリ切り込み、不振の原因を探っています。
一方で、業績好調なスタートトゥデイや、最終顧客から直接予約注文を取るナノ・ユニバース、オンラインSPAという新しい業態に挑むエバーレーン、エムエムラフルールなど、新たなプレイヤーの紹介もあり、投資家目線で見ても、興味深い内容でした。
ファッション業界の方は必読。その他の業界でも、おそらく勉強になる視点がたくさんあると思います。