北朝鮮・金正恩委員長の妹が、能力に比べて出世できない理由

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米韓首脳会談が25日に米NYで行われ、両首脳は北朝鮮の「非核化問題」について話し合いました。そこで明らかとなった、北朝鮮・金正恩委員長の「意外な言葉」とは? そして韓国の議員が明かした、金委員長の妹である金汝貞氏が能力にくらべて出世できない理由とは? 韓国在住歴30年という、無料メルマガ『キムチパワー』の日本人著者が詳しく解説しています。

どんな反対があってもソウル訪問はする

第73回国連(UN)総会出席のために、米ニューヨークを訪問した韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が9月25日、ドナルド・トランプ米大統領と首脳会談を行なった。就任後文大統領がトランプ大統領と首脳会談をするのはこれで5回目。昨年7月、ドイツで開かれた主要20か国(G20)会議で、日韓米首脳晩餐会合を含めると6回目となる。

文大統領は会談の冒頭で、9月中旬に平壌にて金正恩委員長に会った際、彼(金正恩委員長)がトランプ大統領に対し信頼を明らかにしていたこと、トランプ大統領だけが非核化の問題を解決できるだけに、早期に会って、ともに、非核化を早急に完成させたいという希望を明らかにしたといった内容を語った。

さらに文大統領はトランプ大統領の応援のおかげで平壌に行ってきた。トランプ大統領に伝えてほしいという金正恩国務委員長のメッセージもあるとし、もはや北朝鮮の核放棄は、北朝鮮内部でも後戻りできないくらいに公式化されたものとなっていると語った。

これに対しトランプ大統領は、「多分早いうちに金正恩国務委員長と一緒に会談場所の協議することになるだろう。次回の会談を期待する」とし、場所はまだ決まっていないものの早急に会えるだろうと語った。その一方で、あまり急いで事を進めない考えだともかたった。

時間軸がちょっと反対になるが、文大統領が平壌で金正恩国務委員長と会った際、次は金正恩国務委員長がソウルを答礼訪問することを約束しているのは周知の事実。当然の流れだと思うのだが、北のほうには金正恩国務委員長に対してソウル訪問はするなという意見も多いという。金正恩国務委員長も実際にそれを知っていて、「多くの人がソウルに行くなというけれど、わたしは必ず行く」と語ったと韓国の民主平和党の朴智元(パク・チウォン)議員がは21日に明らかにした。

しかも、太極旗部隊が金委員長のソウル訪問の際、デモをしたりシュプレヒコールをしたりするのは、ある意味ありうることじゃないですかと金委員長自らが言っていたというから驚きだ。太極旗部隊とは、韓国の保守派で朴槿恵【元大統領)擁護派である。韓国の骨髄的保守であるから、彼等太極旗部隊は間違いなく金委員長がソウルに来たら帰れだの死ねだの、激しい反対デモをすることは必至だ。しかしそれをも金委員長は理解しているということ。

金正恩は確かに「独裁者」というステータスだけれど、北朝鮮が彼一人の力で動いているのではないことをこのことばは示しているともいえよう。「行くなという人がかなり多い」「しかし俺は行く」という部分は、筆者としてはかなり驚きのフレーズであった。

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