「部下からやる気が感じられない」という悩み、よく耳にするものです。どうしたらその状況を変えることができるのでしょうか。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では、著者で長く人材育成に関わってきた石丸智信さんが、人はどのようなときにモチベーションが上がるのかを考察しつつ、そこから導き出された「やる気を引き出す質問法」を紹介しています。
やる気が湧いてくるのは、どんな時だろう
私たちは、どんな時にやる気が湧いたり、モチベーションが上がったりするのでしょうか。例えば、何らかの物事をやった時に、周りから褒められたり、認められたりした時だったり、お互いに信頼している間柄の人から物事を任された時だったり、他にも色々とあると思います。
本号では、自分自身が「できる、うまくいく、成功する」と思う度合いと、やる気、モチベーションの関係性について考察していきたいと思います。
「できる、うまくいく、成功する」と思う度合いと、やる気、モチベーションには、相関関係があると言われています。真剣にやらなくても、努力しなくても簡単にできる、うまくいくなどと思う事に、取り組もうとする時には、やる気、モチベーションは低い状態になります。
例えば、家庭や学校、職場などにおいて、普段、難なくやっているようなルーチンワークを思い浮かべてみましょう。普段から簡単にやっているようなことは、「できる、うまくいく」などと思う度合いは非常に高いので、改めて、やる気を出してやろう、モチベーションが上がった状態で取り組もうとは、なかなか思わないのではないでしょうか。
反対に、自分自身が真剣にやっても、必死になって努力してもまったくできない、うまくいかない、成功しないと思うような物事に取り組もうとする時はどうでしょうか。この場合も、先ほどと同様に、やる気、モチベーションは高くはならないと言われます。
極端な例ですが、人類史上、まだ誰も解いたことがない計算問題を与えられて、「その問題を解いて下さい」と指示されたとします。みなさんは、こういった指示に対して、どのように思うでしょうか。「よーし、やるぞー」などとはなかなか思えないのではないでしょうか。
ここまで極端でなくても、職場などにおいて、これまでに出している実績が仮に「1」だったとして、いきなり5倍、10倍に結果を出しなさいと言われても、「無理だよな」などという意識が先に立って、なかなかやる気が湧いたり、モチベーションを上がったりすることは難しいのではないでしょうか。