税理士は帳簿つけや確定申告書など決まりきった仕事しかしてくれない、などと思っているのであれば、それは「とうの昔の話」です。後継者探しや技術革新など様々な課題を抱える中小企業経営のサポーターとしても、現在税理士は機能しているのです。今回の無料メルマガ『税金を払う人・もらう人』では著者で現役税理士の今村仁さんが、「認定支援機関制度」と税理士の役割についてわかりやすく解説しています。
税理士事務所の賢い選び方
「税理士事務所なんて、やることは試算表や決算書の作成ぐらいなんだからどこに頼んでも同じでしょ」
こういった類の事は、よく言われます。実際、過去においては同じだったのかもしれませんが、現在においては、「認定支援機関制度」が出来ましたので、大きく異なってきているように思います。
認定支援機関とは、別名「経営革新等支援機関」といい、制度概要は下記となります。
近年、中小企業を巡る経営課題が多様化・複雑化する中、中小企業支援を行う支援事業の担い手の多様化・活性化を図るため、平成24年8月30日に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、 中小企業に対して専門性の高い支援事業をう経営革新等支援機関を認定する制度が創設されました。
認定制度は、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を、経営革新等支援機関として認定することにより、中小企業に対して専門性の高い支援を行うための体制を整備するものです。
顧問の税理士事務所が認定支援機関であると…
認定支援機関は、2019年8月30日現在で、34,140機関となっていますが、実際活動を積極的に行っているのは、上記の10%にも満たないのではないかと思います。
もし皆さんの会社の顧問税理士事務所が、認定支援機関=経営革新等支援機関であった場合に受けられるサービスの一部を下記にご紹介します。
事業承継税制
非上場の株式等を先代経営者から後継者が相続又は贈与により取得した場合において、経営承継円滑化法に係る都道府県知事の認定を受けたときは、相続税・贈与税の納税を猶予及び免除。
先端設備等導入計画
事業者が認定支援機関の確認を受けて市区町村に先端設備等導入計画の認定を申請し、認定を受けた場合には、その計画に基づいて投資した設備について、固定資産税を3年間軽減。
顧問の税理士事務所が、認定支援機関=経営革新等支援機関でない場合や、認定支援機関=経営革新等支援機関ではあるが対応不可の場合は、弊社のような他の税理士事務所等に頼むことになります。
少し手間と費用が別途かかりますね。
きちんとした過去の活動実績のある「認定支援機関=経営革新等支援機関」であることを、税理士事務所選びの参考にしてください。
image by: Shutterstock.com