ネットの世界のみならず、普段の生活や仕事の場でも、なんでもかんでも相手を非難している人をよく見かけます。ところが、自分自身も気付いたらそんな危険な考え方なっている、なんてことはないでしょうか。今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』では著者の佐藤しょ~おんさんが、「批判」と「非難」の違いから身につけたい考え方について説いています。
こうすべきだという代替案が無いのは批判ではない
批判と非難の違いって知ってますか?あれはダメ、このやり方はダメ、そのプロジェクトは上手くいかないと言うのは、このままでは批判ではなくて非難になるんですよ。非難とは、難癖を付けただけってことです。
ビジネスの世界では、これは全く相手にされません(ネットの世界の問題はこの手の非難が野放しにされているのですが)。
非難がなぜダメかというと、発言に責任が伴わないからです。あんなのはダメだ~、と叫ぶのは構わないのですが、それに対してあなたは何を背負うのですか?それが責任です。自分は安全地帯にいて、文句だけ付けるのは誰にだって出来ますよ。
ちなみに日本の野党の支持率が上がらないのは、彼らがみんなこの姿勢で与党を非難しているからなんです。一番ヒドいのは、「安倍辞めろー」って叫ぶ人で、辞めろと言うのなら、
● それなら誰が、どういう理由でふさわしいのか
を同じボリュームで言わなきゃならないんです。
つまり、代替案を持っているかどうかなんです。もちろんその代替案にあなたはコミットしなきゃダメなんですよ。
例えば、「このやり方じゃダメだ!」というのなら、
▼ それならどういうやり方が良いのですか?
▼ その理由と、あなたのやり方の優位性がどこにあるのか教えて下さい
▼ ではあなたが責任を持って、そのやり方で結果を出すんですね
と少なくともこの3つの質問に答えられなきゃならないんです。
どういうやり方が良いか分からないけど、あんたのやり方はダメだ。とかオレのやり方が良いかは分からないけど、あんたのはダメだ。とかオレはやらないよ、面倒だもん。あんたがオレの言うようにやってくれ。とかこんな意見を相手にする人なんていないですよね。ちなみに野党は最初の二つの質問に答えず、
■ でもオレたちにやらせて下さい
って言うからもっと始末が悪いんですけどね。かつての民主党時代って、このやり方で政権を奪取して、結局何も出来ずに国民から愛想を尽かされたわけですよ。
他者の意見を批判するのは良いんです。それは建設的な議論になり得ますから。そうなるための要素として、自分ならこうするという代替案を持っているのが当たり前でしょ。そしてその代替案に、コミット出来るだけの自信があってしかるべきですよね。
議論とはお互いが考えているやり方の優劣や実現性、コスト、納期を戦わせるためにやるわけですから。それを持っていなくて手ぶらで来て、でも相手のやり方をダメだって言うのは、タダの卑怯者ですからね。
こういうトンデモな人が会社に何人かいたら、そんな会社はとっとと辞めるべきです。そもそも会社が存続するかも怪しいですし、なによりもあなたがこういう人間になってしまうからです。批判では無い非難の応酬が当たり前の世界で生きていたら、ほどなくしてあなたもそんな人間になってしまうんです。
そうなったらあなたはもう、まともな会社では雇ってもらえない人になってしまいますから。そしてあなた自身はそのことに気付いていないという、最悪な状態になるんです。
だから自分が批判をしているのか、非難をしているのかを、振り返りながら会話をしなきゃダメなんですよ。
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