中国「一帯一路」終焉が見えてきた。相手にするのはアフリカだけ

 

一時は世界中がその経済的勢いにひれ伏し、参加や協力を表明した中国の「一帯一路」構想ですが、ここに来て黄信号が灯っているようです。台湾出身の評論家・黄文雄さんは自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、同構想に乗り気だったEUの消極化を受けた中国がアフリカに頼らざるを得ない現状を紹介。さらに中国内で湧き上がる「習近平批判」を取り上げ、習氏に対する中国共産党長老たちの反乱の可能性を指摘しています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2018年7月24日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【中国】アフリカしか相手にしなくなった一帯一路

西アフリカ初、中国がセネガルの「一帯一路」協力文書調印を歓迎─中国メディア

習近平の「一帯一路」計画はまだ健在のようで、相変わらずのバラマキ外交でアフリカ諸国の支持を得ているようです。以下、習近平の歯の浮くような文言が並んでいる記事を一部引用しましょう。

われわれはセネガルが西アフリカ諸国で初めて中国との「一帯一路」協力文書に調印することを歓迎する。これを契機に両国協力の水準を全面的に高めたい。中国側はセネガル側との協力を拡大・深化し、セネガルの自主的発展能力を強化したい。人的・文化的交流を緊密化し、民心の通じ合いを促進する必要がある。法執行・安全協力を強化する必要がある。

 

中国側はセネガル側のテロ対策、平和維持、安定維持能力の強化を支持する。中国側はセネガル側が国際・地域問題で一層の役割を発揮することを支持する。セネガル側とアフリカの平和と安全、国連、気候変動など重大な国際・地域問題で意思疎通と調整を強化し、アフリカ及び途上国の共通利益を守りたい。

セネガル側も、中国からかなりメリットある話を持ち込まれたのでしょう。以下のようなことを言わされています

サル大統領は「セネガルは『一つの中国』政策を揺るぎなく遂行し、両国の包括的・戦略的協力パートナーシップの深化に尽力する。インフラ整備、水利、工業化、農産物加工、観光、文化、スポーツ分野で双方の交流や協力を強化したい。セネガルは『一帯一路』イニシアティブを支持する。コネクティビティー強化に積極的に参加したい。中国と多国間問題で意思疎通や調整を緊密化し、より均衡ある公正かつ包摂的なグローバル・ガバナンス体制の構築に尽力し、共に多国間主義を守り、保護貿易主義に反対したい」と表明した。

中国は、資金や技術などの援助をすることを条件に、こうして地道に「一帯一路」の参加国を増やしていますが、これまでもこのメルマガで述べてきたように、国際的にはその実態を疑問視する声もだんだんと上がってきています。

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