子どもの前ではしっかりした親でありたい…、そう思うのは人情でしょう。とは言え、がんばって背筋を伸ばしてみても、素の自分はどこかで顔を出すものです。変に気を張っていると、親子ともにストレスを抱えることにもなりかねません。今回の無料メルマガ『子どもが育つ「父親術」』では、背伸びすることなく等身大の親として子どもと接することの利点を説いています。
ダメ親のススメ
先日のブログ「ダメ親、OK!」で
- いつでも“しっかりした親”“ちゃんとした親”である必要はない
- 「いつでもちゃんと」なんて絶対に不可能
- “ダメ親”でOK
との内容を書いたら、大きな反響がありました。さまざまなコメントをいただきましたが、多くの方はもともと心の中で感じていたこととメルマガの内容が共鳴したようです。改めてあるがままの自分を認めて、“良い親”を無理に演じようとせずに力を抜いていこうと思う…とのメッセージを数多くいただけて、本当に良かったです。
皆様からの声に気を良くして、今日も“ダメ親”ネタでお届けします。子どもの成長を長い目で捉えると、“いつもちゃんとしている親”よりも“ダメ親”の方が望ましい面もある、そんな内容です。
まず、前提として思い出していただきたいのが、子どもの成長プロセスには必ず「反抗期」がある、ということ。
- いつ訪れるか
- 何回やってくるか
- どのような形で表れるか(反抗期をしっかり経験できるか)
などは個人差・環境差が大きいですが、「反抗期がある」という点は全ての子どもに共通します。
さて、その反抗期。読んで字のごとく、親の言うことに「抗」って(あらがって)、「反」対のことをしたがる時期ですよね。
普段から“いつもちゃんとしている親”で、子どもにも正しいことばかり言っている場合、子どもが反抗期を迎えると、どのような行動を取ることになるか、想像してみてください。親の言うこと・やることに抗って、反対のことをしたがるわけですから、
- ちゃんとしない
- 正しくない=悪いことをする
となりやすいこと、容易に想像できますよね。しかも、その場合の親の対応としては(それまでの毎日の生きざまを延長すると、自然に)
- ちゃんとしていないことを指摘する
- 子どもの行動を修正しようとする
- 正しいことを重ねて言う
となってしまいがち。そして反抗期の子どもは…(以下、繰り返す)。この時期にこういった経験をすること自体は、必ずしも悪いことではありません。ですが、お互いにストレスはたっぷり溜まりそうですよね。
では逆に、普段から“ダメ親”で素直に自分の欠点を認めている場合はどうでしょうか?子どもが反抗期を迎えると、親の言うこと・やることに抗って、反対のことをしたがるわけですから、
- しっかりしようとする
- 自分の欠点は、素直に認めない
となるわけです。そして、そんな子どもに対する親の方が、
- 子どものしっかりしている点を認めて、感心する
- 子どもが自分の欠点を素直に認めない点については(人のことを言えた立場ではないし、「いつでも絶対ちゃんとしてなきゃダメ!」との力みもないので)、受け流す
と反応することも容易です。“いつでもちゃんとしている親”の家庭より、ずっと雰囲気が良さそうです(笑)。また、仮に子どもが悪いことをした場合(親がダメ親でも、家庭外の大人に反抗して悪さをすることは良くあります)も、
- “正しい親”→諭す(説教する)、叱る(裁く)
- “ダメ親”→同じような経験をしてきた人生の先輩として接する(受容する、共感する)
ダメ親の方が、親子のコミュニケーションが断絶されることなく、反抗期を一緒に経験して行けそうです。
いろいろ書きましたが、「全ての親が“ダメ親”を目指すべき!」と言いたいわけではありませんよ(笑)。もともとしっかりしている人は、当然ですが、そのままでOKです。一時的に反抗することはあっても、間違いなく子どもは“人生の良き見本”として見て学んでいます。
今号でお伝えしたいのは、
- 無理して“ちゃんとした親”であろうとする必要はない
- 自分を認めて等身大の人間として子どもと接すれば良い
- “ダメ親”にも、意外と良い面がある
この温度感が、うまく伝わればうれしいです。親子ともにストレス少なく、子どもの成長を一緒に経験していくための参考にしていただけたら、本当にうれしいです!
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