韓国「玉ねぎ男」チョ法相が辞任表明。日本語による辞意発表全文

 

家族や本人に関する数々の疑惑が浮上し、むいてもむいても出てくることから通称「玉ねぎ男」と呼ばれていた、韓国のチョ・グク(ヂョ・グク)法務大臣が14日午後、辞任を表明しました。無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴31年の日本人著者が、チョ・グク法相が出した辞意発表の全文を日本語に翻訳して伝えています。

ヂョグク、法務大臣を辞退「検察改革のための「焚き付け役」の役割はここまでです」

国民の皆さん!

私は今日法務省大臣職を辞めます。検察改革は学者と知識人として私の生涯の使命であり、長い間悩んで追求してきた目標でした。「牽制と均衡の原理に基づいた捜査構造改革」「人権を尊重する節制された検察権行使」などは長年の所信でした。

検察改革に向けて、文在寅(ムン・ジェイン)政府初の民情首席として、また法務部長官としてこの2年半全力疾走してきました。私ができる最善を尽くしました。

しかし、思いもよらないことが起きました。 理由を問わず、国民にあまりにも申し訳ないことでした。特に傷つけられた若者たちに対して深く謝ります。家族捜査によって国民の皆さんに本当に申し訳なく思いましたが、長官として数日間だとしても検察改革のために最後の私の任務を全うしようという覚悟で一日一日を耐えました。

しかし、もう私の役割はここまでだと思います。この10月8日、長官就任一か月を迎え、11個の「迅速推進、検察改革課題」を発表しました。 政府レベルの法令制定改正作業も本格化しました。昨日は検察の改革に向けた高官レベルの与党政府間会議で、文在寅政府の検察改革計画を再確認しました。

これからは当該省庁が力を合わせて検察改革作業を必ずやり遂げてくれると信じています。

もはや検察改革はとめることのできない、滔々たる歴史的課題となりました。どの政権もできなかったことです。

国民の皆さん!

これ以上私の家族のことで大統領と政府に負担をかけてはならないと判断しました。 私が長官の席から降りてこそ、検察改革の完遂が可能な時が来たと思います。私は検察改革のための焚き付け役に過ぎません

焚き付け役の役割はここまでです。

あらゆる抵抗にもかかわらず、検察改革がここまで来たのはすべて国民のおかげです。国民は私を降ろして、大統領に力を合わせてくださることを切に願っています。検察改革の制度化が軌道に乗ったことは事実ですが、進むべき道は遠いです。これからは私より強力な推進力を発揮してくれる後任者にバトンを渡して仕上げをお願いしたい。家族全員が満身創痍になって個人的にもことばにできないほどとてもつらかったです。

しかし、検察改革を応援する多くの市民の意思と情のために耐えることができました。もうすべてを投げ捨てて、人生で一番辛い時間を過ごしている家族のそばにいながら慰めてあげようと思います。

私よりもっと傷ついた家族たちをこれ以上自分勝手に耐えろとは言えない状況になりました。特に元々健康がとても悪い妻は一日一日をぎりぎりで支えています。人生で一番つらくて苦しい時間を過ごしている家族のそばに今一緒にいてあげられなかったら一生後悔すると思います。家族が自暴自棄にならないように、ただそばで家族の温もりでこの苦痛を一緒に耐えるのが自然人としての道理だと思います。

国民の皆さん!

私の使命は終わりました。私はもう一人の市民に戻ります。しかし、荒野の中でも検察改革の目標を忘れずに市民の心とともにあります。これまで足りない長官を補佐し、短期間で成果を出すために最善を尽くしてきた法務部の幹部職員に深く感謝します。 後任者がいらっしゃる前まで、動揺することなく業務に精進してほしいです。

最後に、国民の皆さんが私を踏み台とし検察改革の成功のために知恵と力を集めてくれることを切に願います

ありがとうございます。

 2019.10.14. ヂョ・グク


ここまでが全文である。本人も含めた家族(妻・子ども)があまりにも多くの不正・非理をやった。それでも検察改革の号令のもと、1か月あまり耐えに耐えてきた。でも限界と悟ったようだ。国民の不満が彼が辞める事で収まるかどうかはまだわからない。今後、どのような流れが韓国で起こってくるのか、目の離せない状況となった。

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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【著者】 キムチパワー 【発行周期】 ほぼ 月刊

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